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| 2003年03月09日(日) 判定の刻。 |
| そうだ。酔ったふりをすればいいんだ。馬の耳と酔っ払いに念仏。何を言っているのかわからんよ。僕は、酔っているんだ。ヒック。爪楊枝を、取ってくれないか。しかしキミの家は枝豆しか置いてないのか。若しくは栽培しているのか。ガーデニングをしてるのか。ベランダを、拝見。この雨ざらしの雑誌の類を、捨てたまえ。ベランダは、ゴミ捨て場じゃないんだ。かといって、星空を眺めて愛を語る場所でもない。あ、ほら見て、流れ星。南無阿弥陀仏。 「ビール1本で酔えるわけないじゃない!」 いやいやいや、そう言うけどね、ビール1本で酔いたい夜だってあるんだ。キミは部屋の掃除を、したことがあるかね。否。あったとしても、キミは至極掃除が下手糞な人間だ。このテレビ台の下。これはサハラ砂漠かね。僕のオアシスは何処にあるんだい。蓋し僕のオアシスはキミの部屋には存在しない。 「意味わかんないことばっかり言わないでしょ!」 言わないでしょ? 言わないでしょ、って何かね。断定の語句。是不適切。それこそ意味わかんないよ。言わないでよ! と言いたかったキミの艶っぽい唇は、思わず噛んでしまって、言わないでしょ! 言わないでしょ! 僕は揚げ足を取ることがすごく得意なんだよ。得意なんだしょ! 「もーーーーっ! 真剣に考えてよ!」 よし。真剣に、考えよう。果たして明確な答えを導き出せるのかしら。年齢の話をするのはよそう。まず、キミは31歳。僕は26歳。年齢の話をするのはよそう。年齢なんて何の指標となるのだ。キミ31。僕26。年齢の話をするのはよそう。僕はキミより5つも年下なんだ。愛に年齢なんて関係ないんだ。これは一般論というより理想論。机上の空論。否。ベッド上の空論。いわば床上の空論なんだね。キミは、閉経を迎えたのかもしれない。 「失礼ね! そんなワケないでしょ! 本当に生理が来ないのよ!」 僕に言ったって。 「アナタに言うしかないでしょ!」 ……。よし。こうしよう。薬局に行こう。あそこの薬局は11時まで開いているはずだ。大事をとって、2回用を買おう。2回調べよう。ということは、キミは2回おしっこに行くことになるけれど、2回の排泄で至上の安堵を得られるならば、さして苦痛でもないだろう。いいよ。今夜は寒いし、僕が買ってくる。大丈夫、逃げやしないよ。言っておくけど、僕はA型なんだ。いや、あとあと、問題が出てきたために一応言ってみただけだよ。昔から備えあれば憂いはないと相場は決まっているんだ。いってきます。さようなら。冗談だよ。帰ってくるよ。 ――― ただいま。寒かった。マフラーも、巻いていくべきだった。買ってきたよ。2回用を2個買ってきたよ。疑り深い男は、どうもいけないね。1回の判定を信じられるのならこの世はどんなに住みよいだろう。猜疑心というものは、どうもいけない。自己嫌悪の種のようなやつだ。もっと目に見えるものを素直に信じてみたい。さぁ、ポカリスエットでもたらふく飲んで、便所に、行ってきなさい。そしてクイズミリオネアでみのもんたが答えを言う、あの何ともいえない間というものを味わってきなさい。僕は観客席で回答者のお母さんのように手を合わせて祈ってるよ。しかしたかがクイズで母親を連れてくる奴はどういう神経をしているのか。と思うけど、今はそれどころじゃなかった。早く行っておいで。そしてお互い安心して、ベッドで肩を寄せ合って、冗談なんて言いながら、再び性欲の炎に身を焦がそうではないか。ほら、コンドームも、買ってきたよ。 |
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