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| 2003年02月27日(木) 歓喜の悲哀。 |
| 最近やけに落ち込んでいて、周囲の人にはできるだけ悟られまいとしているけど、日頃との空気の違いに気付くのはやはり女性。直感というか嗅覚のようなものが男性より優れている。元気に呑気に振舞っていても、ある種の女性は天井や床下から物事を考えるので、すぐに僕は欠陥住宅だということがバレてしまう。道化の皮を剥がされて無防備になったときの気持ちは恥ずかしい反面、少し清々しい。 今朝アパートを出る時に、ドアの前に紙製の手提げ袋が置いてあった。誰だろう。中身は何だろう。僕は部屋に引き返し、袋の中身を空ける。数本の缶ビールと、小さな手紙。 「これ飲んで元気出して下さいな。お給料日までこの8本でしのんで下さい。さ、がんばって毎日のりきって下さいね」 こういうプレゼントを貰って泣くなということが無理な話で、いつの間にか涙が出ていて、苦しいのは僕じゃなくて、彼女の方なのに、彼女はいつも笑顔で、見えないところで1人で泣いて、泣き止んだらまた笑顔を取り戻す。僕は自分のことだけで精一杯で、彼女に何一つしてやれず、話を聞くことしかできず、助言も、配意もできず、本当に何一つしてやれないのに。 手紙を何度も読み返して、読み返して。出勤時間はとうに過ぎているけど、それでも読み返して。仕事なんて、どうにかなるよ。どうにかなる為に有給があるんだし。もしもし婦長さんですか? 今日は、休みます。いや、午前中だけですよ。車がね、動かないんです。それがちっとも。びくともしないんです。 嘘をついて午前中休む。有給は嘘の対処の為にあるんです。もうとにかく悲しくて嬉しくて「ノックする勇気がなかったから」手紙の内容を何度も読み返して、僕はあまり辛くないのに、彼女の方が辛いはずなのに。僕はいつでも何処へでも逃げ出せる準備はできているのに。 人に優しくできる人は、きっと自分をも労わることができるよ。僕はそう思う。僕は人に優しくできないから、自分も傷つけてばかりで。 |
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