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| 2003年02月26日(水) 長谷川式。 |
| 「長谷川式簡易知能評価スケール」痴呆の診断、もしくは進行状況を診断するときにこのテストを使用する。9種類の質問に分かれていてそれぞれ点数をつけていき、満点は30点、21点以上は 「非痴呆」 20点以下が 「痴呆の疑いあり」 と診断される。しかしただ対象者に質問をしていけばいいということではなく、このテストを行うには、ある程度の心理学的な知識が求められる。職場では医者か、僕がこのテストを行うことになっている。 1 お歳はいくつですか?(2年までの誤差は正解) 2 今日は何年の何月何日ですか?何曜日ですか?(年,月,日,曜日が正解でそれぞれ1点ずつ) 3 私たちが今いるところはどこですか? (自発的に出きれば2点、5秒おいて家ですか?病院ですか?施設ですか?のなかから正しい選択をすれば1点) 4 これから言う3つの言葉を言ってみてください。後でまた聞きますのでよく覚えておいてください。 (以下の系列のいずれか1つで、採用した系列に○印をつけておく) 1: a)桜 b)猫 c)電車 2: a)梅 b)犬 c)自動車 5 100から7を順番に引いてください。 (100−7は?、またそれから7を引くと?と質問する。最初の答えが不正解の場合、打ち切る) 6 私がこれから言う数字を逆から言ってください。 (6−8−2、3−5−2−9を逆に言ってもらう、3桁逆唱に失敗したら、打ち切る) 7 先ほど覚えてもらった言葉を、もう1度言ってみてください。 (自発的に答えがあれば各2点。もし答えがない場合以下のヒントを与え正解であれば各1点)(ヒント)a)植物 b)動物 c)乗り物 8 これから5つの品物を見せます。それを隠しますので何があったかを言ってください。 正解数1品につき、1点。 9 知っている野菜の名前をできるだけ多く言ってください。(答えた野菜の名前を下欄に記入する。 途中で詰まり、約10秒待っても答えない場合にはそこで打ち切る) 0〜5=0点、6=1点、7=2点、8=3点、9=4点、10=5点 以上9問の質問に答えていく。しかしただ質問を投げつければいいというものではない。この質問を滞りなく行えるということが心理職としての真骨頂なのである。 まず自尊心の問題。いかに高齢者のプライドを傷付けずにこの簡単な問題を問い掛けることができるか。ただむやみに「はい、質問しますね。お年はおいくつですか?」なんて問い掛けては行けない。対象者によっては、「馬鹿にしやがって」と途中で投げ出して帰り出す人だっている。よって、まずは世間話から。僕は何にしろまずは世間話から入るようにしている。「なんだこいつ下らない話ばっかりペラペラ喋りやがって」と相手に思われる方が後々楽に物事は進むのである。「僕はいい加減な人間ですよ。だからアナタも肩の力を抜いて大丈夫なんですよ」とヘラヘラ笑いながら暗に伝えるのである。 世間話をしつつ、まず最初のポイント。「あ、そうだ」このセリフ。 「あ、そうだ。これだった」と思い出したかのように「長谷川式スケール」を手に取る。初めからこのテストを手に取って構えていてはいけない。テスト自体を世間話の延長で、「じゃあこんなものがありますから、ちょっとやってみますか」くらいの軽い気持ちで受けさせた方が高齢者も変に気構えしなくていいのである。 「それでは、これから簡単な質問をさせていただきますね。宜しくお願いします」 間違えてもこんなこと言ってはいけない。「簡単な質問」ってとこが駄目。高齢者にとっては、いや、痴呆の症状を呈している高齢者にとっては今日の日付を答えるだけという「一般的に簡単」な問題も難解に思えるのである。「簡単な問題」と言ったはずなのに私は答えられない。と、相手の自尊心を傷つける恐れがあるのである。だから「簡単な質問」という言葉はタブー。 次のポイントは「わからない振りをする」 これは、例えば質問2の今日の日付を問い掛ける場合、対象者がこれに答えられなかったとする。対象者がわからなかったら僕もわからない振りをする。それによって「質問する人がわかんないんだからワシもわかんなくて当然だよなぁ」という思いを抱かせるようにするのである。答えられないことは恥ずかしいことではない。僕だって答えられない難しい問題なんだから。ということをその演技によって伝える。 とまぁ、「長谷川式簡易知能評価スケール」を行うにあたっていくつかのポイントを挙げてみたが、この他にも細かいポイントがいくつも存在する。それは何気な一言なんだけど、この一言をいかに自然に言えるかによって、テストの進み具合に俄然違いが出てくる。このポイントを懇切丁寧に新人さんに教えるんだけど(何よくだらないことばっかり言ってバカバカしい)と思われてそうなので、僕はとても悲しい。こういうものは結果じゃなくて過程が一番大切なんだということを伝えたいのだけど新人さんはちっともわかってくれないので今日は珍しく業務内容のことを日記に書いて1人でも賛同してくれる人がいたらいいなという思いを込めました。 |
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