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| 2003年02月23日(日) 無駄の合理化。 |
| まぁ世の中は半分以上の無駄なもので成立しているって言っちゃあおしまいだけどちょっと聞いてよウサギさん。よくある話をしましょう。夜の酒場で偶然出会ったあなたに私の事を少しだけ教えてあげる。よくある話ね。退屈な話。 日常の合理化を常に心掛けている僕にとっては無駄な言葉がいちいち癪に障るのです。例えば「よろしく言っといてね」もうこれは古典的と思える程に無駄な言葉です。Aさんが「よろしく言っといてね」とBさんに伝えるが為に僕を意志伝達の媒介に使うなと。利用するなと。電話しろよと。メールでも、手紙でも、どうしても「よろしく」言いたいならば、それなりに努力しろよと。僕はBさんに「あ、Aさんがよろしくって言ってたよ」なんて言ったことのない不義理な人間です。 「あ、先に食べてていいよ」これ! これすごい無駄! なんかもうあれ! あ、そうですか。なんて食べれないから! ね。デート。若しくはあまり会ったことのない相手と食事に行った場合。僕はパスタを相手はピッツァを注文しました。パスタが先にきました。ピッツァはピッツァだからトッピングしたり釜に入れて焼いたりで結構時間が掛かります。パスタはパスタだから茹でたらおしまい。 テーブルの上にはお水と、タバコと、パスタ。相手の目線もパスタ。僕はそもそも最初からパスタなんて存在しなかったかのように窓から見える景色を見たり、隣のカップルの会話に耳を澄ましたりしているというのに! 食いしん坊じゃないのに! 「あ、先に食べてていいよ」いや、いいよ。待ってるよ。なんてしどろもどろに応えてしまって「早く食べないとパスタ冷えちゃうよ」なんて言われた日には「いや、いいんだ」と応えることしかできず、パスタが冷えて何もいいことはないんだけど「いや、いいんだ」と。自分でも首を傾げながら「いいんだ」と。何も解決しないのに「いいんだ」と。 そんなのね、先に言われなくても先に食べるときは食べますよ。例えばね、僕が荒波もまれて船から投げ出されて気付いたら無人島。僕1人。木の実と魚と鳥などを食って10年経ちました。そして発見されました。何が食べたい? とリポーターから質問されました。「パスタが食べたいです」僕はカメラに向かって呟きました。故郷に帰ったら「生還おめでとう!」なんて戦争から帰還したかの如くの横断幕。ただの恥さらしのような恥ずかしくてたまらないパレードを乗り越えて夜が来た。 レストランに入る。目の前には10年振りに再会した彼女。彼女は結婚せずに僕を待っててくれた。僕はそれが嬉しいのと申し訳ないのとで涙をこらえてつつ、10年振りのパスタがテーブルに運ばれてくる。彼女はピッツァを注文した。ピッツァはピッツァだからトッピングしたり釜に入れて焼いたりで結構時間が掛かる。パスタはパスタだから茹でたらおしまい。テーブルの上にはお水と、タバコと、パスタ。相手の目線もパスタ。彼女は気を遣って「あ、先に食べてていいよ」 モグモグ。もう食ってるから! 待ってらんないから! そんな気遣いと孤独の10年を比較しないでくれ! ほっとけよ! パスタうめぇ! 以上の例えで文頭の「世の中は半分以上の無駄なもので成立している」って事象を立証しているなんてとても思えないけど、まぁ、そういうこと。 |
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