2003年02月15日(土)  悲哀の山手線ゲーム。
飲み会がある度に送別会送別会と言われてうんざりしている。僕は4月までここで働くんだい! 追い出すような真似はよしてくれ!
 
昨夜は事務のお姉さんたちと月に1度の定例飲み会。最近オープンしたお洒落なフードバー。残業だったため少し遅れて登場した僕は、偶然違うテーブルに友人たちを発見してそのまま友人たちのテーブルへ。「ゴメン、遅れちゃって」「呼んでねぇよ」「あっち行けよ」と言われたので「てめぇたちと飲みたくなんかねぇよ!」と捨てセリフを吐いて事務のお姉さんたちのところへ。「ゴメン、遅れちゃって」「呼んでないわよ」「あっち行ってよ」と言われたので素直にカウンターに1人座ってビールを注文。横目でチラチラ事務のお姉さんたちを見つめる。すると1人が立ち上がって僕のところへ来る。「ゴメン、ウソウソ。ウソだってば。子供みたいにそんな機嫌損ねないで。ね。だからあっち行ってよ」一瞬目の前が真っ暗になって、カウンターの奥にあったアイスピックを手に取って自分の首を突いて死んでしまおうと思った。
 
というわけで月に1度の定例飲み会。カウンターから頑なに事務のお姉さんのテーブルへ戻ろうとしない僕は、なんだか事務のお姉さんと意地の張り合いみたいになってしまって、店員の憐れみを込めた困った笑みをよそに僕は1人でビールをがんがん飲む。どうせ僕は1人だ。僕の背中を見て見て。ね。小さいでしょ。寂しげでしょ。だから声を掛けて頂戴。僕を1人にしないで頂戴。
 
……。
 
誰も声を掛けてくれないので、結局ふてくされた表情で事務のお姉さんたちのテーブルへ戻る。「あら、来てたの?」「1人で飲んでたの?」「何しに来たの?」一瞬目の前が真っ暗になってテーブルの上にあったフォークを手に取って自分の首を突いて死んでしまおうと思った。
 
「それにしてもこんなことするのももう少しなんだよねー」
そして決まって送別会話が始まる。僕はいつものように、いつもの日常の延長線にあるように、普遍的な仕事帰りの飲み会であるように、そんなこと考えないでみんなと飲みたいのに。
 
「ね、仕事辞めたら何するの?」
「結婚」
「誰と?」
「わかんない」
「私と?」
「違う」
「薬剤師さんと?」
「願いが叶うならね」
「薬剤師さんが泣いて仕事辞めないで! って止めたらどうする」
「辞めない」
「単純ーっ!」
「私が泣いて仕事辞めないで! って止めたらどうする」
「辞める」
「そう……」
 
そして事務のお姉さんは本当に泣いてしまった。本当に悪いことをした。だから辞めるとか、いなくなるとか、そういう雰囲気は嫌いなんだ。冗談が冗談じゃなくなって、真実はより洗練された真実となる。僕も他の事務員さんたちも本当に泣きそうになったので、フードバーの雰囲気に合わない少々無理矢理な山手線ゲームをしたら余計悲しくなった。

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