2003年01月25日(土)  すき焼きを食べました。
「こないだパソコン買ってネットしたいんだけど設定の仕方がわかんなーい」
 
だって。へー。大変ですよねぇ。あれって結構難しいですもんねぇ。他人事、他人事。僕はもう、パソコン初心者に懇切丁寧にエクセルの使い方を教えるとか、得意満面の鼻歌混じりでインターネットの設定をするとか、「あー、このIDとポート番号間違えてたんだ。えっと、プロコトルは……」なんてそんなもの頭ん中だけで考えればいいのに、わざと声を出して、さも独り言のように、自分でもよくわかってないくせに、やはり得意満面の表情でパソコンを操り、初心者の感嘆を誘うのはやめることにしたんだ。他人事、他人事。僕は知らないよ。優しくないよ。仕事終わったらさっさと帰っちゃうよ。
 
「パソコン買った店のサービスで設定とかしてくれないんですか?」
「だって何って言ったらいいのかわかんないんだもーん」
「いや、だから、インターネットしたいので設定して下さいって」
「だって設定の仕方わかんないんだもーん」
「いや、だから、買った店の人がサービスでしてく……」
「ねぇ、すき焼き好き?」
「わぁ、大好きです。そういえばもう何年も食べてないなぁ」
 
「昨日ね、実家からいっぱい牛肉送ってきたの」
「へぇ」
「でね、1人じゃ食べきれないから」
「隣の人に分けちゃったとか。わぁ、勿体無いなぁ」
「分けてないわよ。隣の部屋にどんな人が住んでるのかしらないし」
「僕のアパートの隣の部屋には綺麗なお姉ちゃんが住んでますよ。彼氏はいつもポケットの部分に変な犬の刺繍が入ったジーパンを履いてますよ」
 
「エッチの声とか聞こえる?」
「わかんないです。大衆が性交に勤しむ時間は僕はたいてい寝てるんです」
「ねぇ」
「なんですか」
「そういうのって興奮しない?」
「犬の刺繍のポケットですか」
「違うわよ。壁の薄いアパートのエッチって」
「ベニヤセックスですか」
「何よその造語」
「それにしても僕はすき焼きが大好きです」
 
「なんだか無理矢理ね。そうそう、でね、お肉がいっぱいあるのよ」
「下腹部に?」
「そういう冗談は私以外の人に言わないことね。言っていいことと悪いことがあるの。わかる? 女って怖いのよ。刃物で刺されるわよ」
「下腹部に?」
「まぁ あきれた」
 
「それにしても実家から食べきれないほどお肉が送ってきたんですか?」
「そういうのって余計なお世話だと思わない?」
「下腹部がですか」
「あなたもう死んじゃえばいいのに」
 
「誘ってますか?」
「誘ってないわよ! お肉いっぱいあるからすき焼きでもしようかなって思っただけよ!」
「僕はあなたとすき焼きが食べたいです」
「素直なのか偏屈なのかわかんないわよ!」
「今夜7時くらいに遊びに行きます」
「待ってるね」
 
というわけでペットボトルの爽健美茶と6缶セットの発泡酒と食べてる途中で玉子がきれたらイヤなので1パック168円の玉子を買って看護婦さんのマンションへ行ってクレヨンしんちゃんを見ながらすき焼きを食べてその後インターネットの設定をしました。

-->
翌日 / 目次 / 先日