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| 2003年01月19日(日) 恋とはどんなものかしら。 |
| 「大吉が出たらプロポーズだからね!」 そんなことてっきり忘れていると思ったけど、友人はしっかりと覚えていた。 今年3度目の初詣。 前回の初詣で「今度おみくじ引いたとき私が大吉を引いたらアナタがプロポーズするのよ」と何がなんだかわからないことを言われて、僕も例の安請け合いなんかしちゃって「よし。わかった。大吉が出たら結婚しよう」なんて言ったはいいけど内心ドキドキ。僕はまだ結婚なんてしたくない。 この友人となら結婚してもいいとは思うけど、やっぱり時期尚早だよ。 「すいませーん! おみくじ出てこないんですけどー!」 100円入れたら自動的におみくじが出てくるというご利益もへったくれもあったものじゃない自動販売機式のおみくじ。 まず友人が100円入れたが出てこない。イライラしている。関係ないけど僕はこのとき小便に行きたくて仕様がなかった。曇天模様で小雨がぱらついてトイレはすごく遠かった。 大吉でも出てさっさとプロポーズして一目散にトイレへ走りたかった。 係の人が自動販売機の裏側を開けて、内側に詰まったおみくじを取る。 すごく人為的で、嫌な気持ちになる。 小吉。 「てゆうかムカつくー!」 友人は人為的に選別されたおみくじに大いに不満なご様子。 僕は僕で末吉。今年3回も初詣に行って3回とも末吉。ていうかムカつくー。 一目散にトイレへ。現在午後4時30分。午後5時30分に他の女性と待ち合わせ。 「ゴメン、遅れちゃって」 いつもの如く僕は待ち合わせ場所に遅れて登場する。 初詣とは一変して比較的シックな服装に着替えて、向かう場所はコンサート会場。 『高嶋ちさ子&加羽沢美濃 カジュアルクラシックス』 彼女はピアノ教室の先生をしていて、趣味がクラシックとオペラという、なんとも優雅な。 僕の趣味は読書と洗濯。昔は少々万引きも、たしなんでいました。 「二階席の方がね、音が綺麗に聞こえるのよ。近くで聞くと、音が割れちゃうの」 さすがだね。ということは二階席に座る人達は音に関して少々こだわりがある人なんだね。 会場へ行く途中、車の中でモーツァルトを聞きながら曲名を当てるという、なんとも優雅なお遊戯をしました。 「Le Nozze di Figaro。フィガロの結婚『恋とはどんなものなのか』 ね。当たってる?」 当たってる! 恋とはどんなものなのか知っていらっしゃるご婦人方、どうぞ僕の胸のうちをご覧ください。ってね。 コンサート会場は満員。高嶋ちさ子も御満悦。 3000万円のヴァイオリンから奏でられる洗練された演奏。目を閉じて耳を澄ます。 高嶋ちさ子の洗練された鎖骨が目に浮かぶ。僕の考えていることって鎖骨ばっかり! 加羽沢美濃って結構有名な人なんだって事実を今日知りました。 彼女は昔から作詞・作曲・即興音楽の「天才」と言われていたそうで、帰り道、「天才」について語り合いました。 「彼女の音楽はね、どこかしら聞いたことがあるような曲を作るの」 「ということは万人受けするってことだね」 「そうなのよ。作詞にしても作曲にしても即興音楽にしても、耳に馴染みやすいフレーズを使ってるの」 「多分、天才ってそういうものだと思うよ。万人受けしてこそ天才なんだ。天才だと評価する対象は何を隠そう凡人なんだからね。凡人がこれは、すごいぞ、素晴らしいぞって思わなければ天才になれないんだ。人智を越えた天才なんているわけがないんだよ」 「私もそう思う」 この想いをご説明するならば初めてのことでよく分からないのです。 あるときは喜びでいっぱいになり、またあるときは苦しみにもなる。 凍るかと思えば、燃え上がり、幸福を求めても、それが何かさえ分からない。 車内では『フィガロの結婚』がいつまでも流れ続けていました。 |
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