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| 2003年01月18日(土) 建前、是即ち、防衛機制。 |
| 僕は気が小さいというかなんというか、いや、どうしようもないと言った方がしっくりくるな。 僕はどうしようもない人間だ。恐喝窃盗強姦を繰り返すタイプのどうしようもない人間じゃなく、 誰にも迷惑を掛けることなく、知られることなく、悟られることなく、思考の一人相撲をして、いちいち自爆してしまうのだ。 ドカンとね、僕の脳内で爆発音が聞こえてその後は聞くものに靄がかかり、見るもの全て不鮮明。 要するに真っ白になるということで、考えることなんてよせばいいのに、あ、あぁ、どうしよう。なんて。 スマイル0円なんて馬鹿な話があるか。僕はね、現実を知っているんだ。裏の世界を見ているんだ。 「いらっしゃいませこんにちは。はい。フィレオフィッシュバーガーをセットでお1つですね」 ニコニコニコニコ。嘘だい。そんなの嘘だい。 だってキミは、「休憩入りまーす」なんて言って休憩室でむくんだふくらはぎなんか撫でながらタバコを吸って、プリングルスと厨房からくすねてきたポテトを手に取り、その2つの共通点はジャガイモでできているとも知らずに阿呆のように交互に食べながら 「あー、やべー、つれぇー、やってらんねー、バイト8時間とかありえねー」 とか言っているんだろ。そうでしょ。僕は裏の世界を知っているんだ。 だから僕はスマイル0円はもとより、人の笑顔なんて信じない。 アパートのドアを1歩でたその時からその笑顔は全て建前なんだ。 裏ではみんな「バイト8時間なんてありえねー」なんて言ってるんだ。 風俗。風俗といってもソープじゃないよ。そもそも僕はあまり経済も性欲も旺盛な方ではないので 専らピンサロなんだけど。って旺盛じゃないのにピンサロになんてどうして行くんだい。 答えは意外と明快であります。僕には彼女がいないのであります。彼女がいないと夜の2時くらいに突然目覚めて何が何だかわからずにただ天井を眺めていると天井にうなじととか鎖骨とかくびれとか、部分的なものが次第に形作られてきて、できた! 見えた! 女体が見えたよ! 悶々としてきたよ! 行き場のないこの思い、まるで思春期のようだよ! だから30分6000円のピンサロに行って真っ暗闇の中で「今日は寒いねー」なんて 隣家の農業を生業としているお婆さんとでさえできるような普遍的な会話をして 温かいおしぼりを、美味しいキノコに当てられて、拭かれて、それから、云々。 キスもOKなんだってさ。「んー。カワイイ」なんて褒められてるのか見下されてるのかわからないことを言われて深い闇の中で深く舌を入れられて、 その頃は美味しいキノコはすでに食べ頃になっていて、女の子は腰をかがめて、美味しいキノコを、云々。 僕はその暗闇の中でその女の子を見下ろしながら、全く快感を感じることができない。 ピンサロでオーガニズムなんて縁遠い話だ。気を遣ってどうしようもなくなる。 風俗嬢も好きでこんなことやってるんじゃないと思うと、どうも駄目になる。 金払ってるんだから堂々としろよ、なんて思うかもしれないけど、威風堂々とさらけ出せるような下半身でもないし、女の子だってタイプじゃないってそういう話じゃなく、要するに、そういうものさえ信じられないのだ。 僕は常に建前の裏に隠されている本音に怯えている。 患者さんの治療が終わってから「お大事に」と言うけれど、僕はちっとも「お大事に」と思っていない。 それはもはや「おはよう」とか「おやすみ」とか、本来の意味を失った挨拶と化していて、しばし自己嫌悪に陥る。 嗚呼、本音と建前。神はなぜこのような難解な意味付けを作ったのか。 まぁ、建前で守られてる部分があるからなんだろうね。世の中全て本音ばかりだったら気が滅入っちゃうもの。 だから自ら建前を作り、他人の建前を利用して、自分自身の社会を形成してるんだろうね。 建前、是即ち、防衛機制。おっ。なんかそれっぽいぞ。 |
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