2003年01月17日(金)  女心と夏の夜、冬の風。
そういえばそうだよ。去年の8月のビヤホール。そう、あの日は花火が見えたんだ。
僕たちはホテルの最上階ビアホールで花火を見ながらビールを飲んだんだ。
 
お互い独身で、結婚について、希望とか理想とか将来とか現実とか。
そういうときって不思議なもので、もしかして僕たちは結婚するんじゃないかしら。なんて思ってしまうんだよ。半端に仲が良かったりすると、どうもいけない。
友達以上恋人未満とはよくいったものだよ。こういう状況はどうもいけない。なんだかくすぐったい。
 
僕たちは同じ年で、ある程度似たような考え方を持っていて、結婚に対してもどちらかといえば否定的で、
結婚なんて別にしなくてもいいんだけど、いかんせん、周りの友人たちがどんどん家庭を持ち出すことに焦る。
そう、その通り。実際僕たちは何にも焦っていないんだ。周りが急かすからいけなんだ。
 
あの日の約束を覚えてる? 30までに独身だったら結婚しよう。
お互い、変な誓いだね、と言って笑ったけど、多分、僕はこのままずっと独身で30歳くらいになると、あんまり笑い事じゃ済まされなくなって、だけど相変わらず僕の下半身は、種の繁栄という霊長類の使命を忘れてしまい、日夜セコセコとシコシコと、猿のように腰を振り、種の大砲はゴムに包まれているんだ。
 
あの日の夜だって、子供作っちゃおうかなんて冗談で言ったつもりなのに、キミは洒落の通じない皇室のお姫様みたいに表情を硬化させて、今にも下着を履いて洋服を着てホテルから出て行きそうな勢いで、そんな顔されるものだからホクトにも負けない美味しいキノコも活力を失ってしまい、ほら、見て御覧、お笑いオンエアバトルやってるよ。ハハハッ。つまらないじゃないか。なぁ、なぁ、……寝てるじゃないか。
 
しかし驚いた。その横に立っている男は、誰だい。
おい、キミは誰だい。このコの何かい? 彼氏かい? 婚約者? ほぅ、婚約者か、それはめでたい。
いや、ちっともめでたくないっておい! キミ! 去年の夏のビヤホールの誓いを忘れたのかい!
 
よぅ、オトコ。自らを婚約者と名乗るオトコ。そういう怖い顔をするな。口をへの字にするな。誤解をするな。
僕と彼女は何もしていない。何を具体的に指す言葉はセックスなんだけどね。
要するに交わっていないんだ。美味しいキノコはホクトが萎えてしまったんだ。キノコノコノコ呑気ノコ。

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