2002年07月28日(日)
どの髪型がお気に入り?



たかマールグ

先日、カラム氏がインドの第11代大統領に就任した。回教徒としては3番目の大統領。71歳だ。タミル・ナードゥ州ラメーシュワラム出身。インドでは、ミサイルの父として名声を博している。インドのロケット開発、ミサイル開発で多大なる貢献をしてきた人物だ。また、信仰心も篤い。いまだ独身をつらぬいている。回教徒でありながらヒンドゥーの聖典である「バガヴァッドギーター」をこよなく愛読しているらしい。また、詩人として、詩を吟ずる。就任式でのスピーチでも彼の宗教感と共鳴するカビール(宗教詩人)の詩を引用していた。

「あなたが明日やろうとしていることは、
今日成し遂げるべきだ
今日やるべきことは、今、成し遂げるべきだ」

私が見たところカラム大統領はとても質素だ。着ているシャツはいつも同じような青系。就任式には、さすがに青のシャツではなかったが…。就任式には、38人の家族や友人が出席していたのだが、一行がラメーシュワラム(チェンナイ経由)からデリーまで来るのに使ったのは、2晩、36時間以上もかかる列車「GTエクスプレス」だ。ラージダーニーとかタミル・ナードゥ・エクプレスとかもっと早い列車もあるだろうにどうしてわざわざ時間のかかる列車に乗ってきたんだろう。まあ、38人もいると飛行機代はかかってしょうがないと思うけど。この38人の構成は、カラム大統領の兄弟、姪、甥の家族(子どもを含む)一同、下は16歳から上は85歳までの全世代の代表が集ったものだ。大統領の兄は、新聞記者に対して、一番下の弟がファースト・シチズンになったことへのコメント。

「国にとっちゃいいことには違いないけんども、わしらの土地じゃーやつが大統領になったってことは、そんなに大した出来事でもないんじゃよ。」

さてさて、ここで話変わって、大統領の髪型。カラム氏が大統領にって名前が挙がった頃から、何が巷で話題になったかというと、あのカラム氏の髪型が大統領にふさわしいかどうかということだった。さきほども書いたように、カラム氏は、科学者であり、その生活ぶりは大変質素であろうと思われる。ので、自分の髪型にはまったくの無頓着な様なんですわ。まあ、セミロンゲとでもいいましょうか。いつも髪の毛が脂ぎってみえるのはココナッツオイルのせいでありましょうか。とにかく、むさい、暑苦しい。髪を切ってあげたいと思うような髪型なんです。こういうこと思うのって私だけかなっと思っていたら、やってくれました、世界でも有数の発行部数を誇るタイムズ オブ インディア紙。1面でカラム氏の髪型特集をしてくれました。おおー、やっぱ、こういうことやるのってタイムズ オブ インディアだよなーって。しかも1面っすからねー。ここからはタイムス オブ インディア紙の記事を引用しながらです。

カラム現在
現在のカラム氏の髪型

日本の雑誌でもモヒカン・ヘアースタイリストとして紹介されたこともあるデリーでも有名なハビブさん。なにかと好奇心旺盛な私は、一度ハビブさんに髪を切ってもらいに行ったことがある。インドにしてはまあまあかなぁーという印象しかないが、髪を切ってもらった後のお値段を聞いてびっくり。500ルピー!おー、普段の7回分やん。以来、2度と行っていない。そのハビブさんのサロンで、カラム氏は、な、なんと、髪を切っているとのこと。ハビブさん曰く、「カラム博士はよくうちのサロンにいらっしゃいますよ。親父が個人的に博士のことを担当してるんですがね。博士の今の髪型だけど、まあ、悪いってほどのことじゃないと思うよ。科学者としてはマッチしてるかな。でも、インドのファースト・シチズンとしては、どうかな?ちょっとばかりへアースタイルを変える必要があるかもね。後ろを刈り込んで、前はもっと短くね。とにかく短くしないとね。でも、彼が今やってるセンターで分けるのはいいと思うよ。」

ハビブ案
ハビブさん提案の髪型

ムンバイを拠点に活躍するヘアー・スタイリストのスター的存在、ディルシャード・パスタキアさん。彼女の顧客リストにはシャー・ルーク・カーン、ラージ・タクレやカリシュマ、カリーナ・カプール姉妹、アクシェイ・クマール、トウィンクル・カンナなどの有名ヒーロー・ヒロインが名を連ねている。ディルシャードさんもカラム氏の髪に早急にハサミを入れないといけないという意見の持ち主。「彼の振る舞いには共感するところがあるわ。でもプロとして言うなら、彼にはヘアーカットが必要よ!なにも斬新な髪型っていうわけじゃないの、ただちょっとね、ちょっとだけこざっぱりしたほうがいいかなーって思うわけ。でも、髪の長さは彼のパーソナリティーのひとつだから。私は、なにも規定とか流行に従う必要はないと思う。」

ディルシャード案
ディルシャードさんご推薦

デリーで活躍するヘアー・デザイナーのアンビカ・ピッライさん。モデルや俳優のヘアー・スタイルを手がけるピッライさんもカラム氏は今にでも髪型を変えないといけないと主張する。「彼のルックスはトレンディなものじゃないわ。彼の髪の質と色から考えると、ロングのほうが似合うと思うの。彼もおそらくロングを気に入ってるんじゃないかな。でも、もし彼がショートにするなら、すごく短く刈りこんだほうがいいと思うの。後ろに流す感じかな。」

アンビカ案
アンビカさん提案の髪型

ムンバイの二人組のヘアー・スタイリスト−ナリニさんとヤスミンさん。二人は、今のカラム氏のナチュラルな感じを保つべきだという。「彼は、カジュアルっぽいロングが好きなんだと思う。前髪は自然な流れでね。サイドはまとめて、後ろはちょっと少なめに。」

ナリニ&ヤスミン案
お二人が推奨する髪型

デリーのヘアー・スタイリストのシルビエさんの大統領への髪型のアドバイス。「短くしたほうがいいよ。大統領にふさわしい髪型にね。ロングっていうのは、見た目むさ苦しいし、だらしなく見えるんだよね。今の時代にあったショートにすべきだと思うんだ。」

シルビエ案
シルビエさん推薦の髪型

とまあ、いろいろと大統領の髪型についてうんちく垂れている人たちがいますが、よっぽどインドの人たちは大統領の髪型を気にいってないんですね。皆さんはどの髪型をお勧めしますか。これといったものがあったら、ぜひ大統領に推薦する髪型を送ってあげてくださいね。

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