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2003年03月27日(木)

不審者

何やら、外が騒がしい。
どうやらドリルを使っている模様。
とうとう、隣の部屋をリフォームするのか?
引越ししてくる人でもいるのか?
とワクワクしつつ騒音を我慢して仕事をしていたら。
騒音の出所は、私の玄関であった。

誰がやってるのか、大家さんなのかは定かではないが。
どうやら雨どいっていうの?を修復作業しているらしい。
数日前に、隣だけ綺麗になってるのを見ていたのだが、やっと私の家も直してくれる事になったようだ。

して、彼(男だと勝手に判断)はラジオをBGMに作業をしているらしく。
数日前から私もラジオを聞きながら仕事を開始したのだ。
しかし、彼のかけているラジオは局が違う。
よって、同じ局なら音声多重状態に感じるものを、単なる騒音になっている。

玄関に人が居るという事で、私は自然と物音を立てないように一階に降りる事になったらしい。
いや、気付いたら、抜き足差し足忍び足をしている自分が居たのだ。

ここは、レッキとした我家だ。
家賃を滞納した事も無いし、苦情をいう事も言われる事も無く、優良な賃貸住人だ。
しかしながら、何故か私は外に人が居ると、「居留守」を使う習性があるらしい。

大体。
昼間からそれなりの年齢の女が一人。
家に居る事自体が世間一般から見たらおかしい。
通常、平日昼間は働いているものだ。
家で仕事をしていると理解がある人が居ても、居るのなら窓ぐらい開けるとか、生活臭がするものだ。
しかし、私は道路側の窓を開けない。
外に洗濯物を干す事も殆ど無い。洗濯はお相手の家でやる事が多いし。
あきらかに、家に居る人間の様子じゃない。
多分、そんな常識が私の頭の片隅にあるのだろう。
よって、私は自分の気配を消すのである。

大体、人と正反対をしすぎなのだ。
昼間、家で仕事をし、夜、出かける。
先週までなんか、夜中の3時前後に出かけるという不審な行動をとりつづけていた。
真夜中の静まり返った住宅街には、鍵をかける音だけでも響いて聞こえるものだ。
しかも、家のドアは何故か午前3時になると、開閉が困難になる事に気付いた。
それより前の時間であれば、スムーズとはいえないが、ごく普通の力で開閉可能だ。
しかし、午前3時頃に出ようとすると、これが力を入れないと開かない。
よって、音がギギっとする。そして、また閉める時に力を入れるのでバタンと音がする。
この現象は、この家全体のものだ。部屋のドアもそうなのだ。

真夜中過ぎると、天井がバキっと大音量で鳴る事もしばしば。
果たして、この家の午前3時に何があるのか・・・・・・・・

なんつって。
多分、木造住宅であり、周りが山であるために、湿気の関係でそうなるのだろう。

ところで。
このような習慣を持つ私は、勿論、ピンポンに反応しない。
その際にも、気配を消す事が習慣付けられている。
セールスが面倒だし、女の一人暮らしと出れば知られてしまうからだ。

しかし、思う。
もしや、私のやっている事は、返って危ないのではないだろうか?と。

この物騒な世の中。
泥棒なら被害は物だが、出会ってしまえば、人間に危害が加えられる可能性も大だ。
我家の鍵は、流行の鍵だ。要は、お入り下さい鍵だ。
分かり易く言えば、ピッキング対策を施されていない鍵だ。(最初からそう書け)
しかも、築16年。交換された事が無いという鍵だ。
これじゃ、ベテランじゃなくとも開けて入ってこれそうなもんだ。
大概は、あきらかに留守か、ピンポンに反応しない家に入ってくるものだと聞くし。

端から見たら、私は不審者っぽい行動をしている女だろう。
隣の人には、不審人物と思われているフシもある。
だけど、本物の不審者は、やっぱり怖いのだ。