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■ ”LOUVRE” UN FILM DE NICOLAS PHILIBERT
いやいや、いい映画を観ました。久々の感動です。 パリのルーヴル美術館で働く人々とルーヴルという建物(地下の回廊、階段、裏通路、隠し部屋などなど) に視点を合わせて繰り広げられる魅力的な作品です。
裏舞台を覗くっていうこと自体ちょっと興味をそそられるじゃないですか。
たとえカメラワークは地味で淡々としたドキュメンタリーちっくな映像でも、 それだからこそ淡々と、滑稽さや人間臭さがクリアに映し出されていて面白いんです。
普段は主役の美術品たちが、完全に脇役なんですよね。 ルーブルで働く1,200名余りの人々が主役なのです。
前回も書いたけれど、「サモトラケのニケ」が、あまりにもさりげなく画面の端っこにちらりと映る。 たったそれだけ。主役は人間。美術館内で倒れた人を救護する人たち。 もうね、それだけで可笑しい。 えぇ〜?紀元前190年の、古代ギリシャの、ミロのヴィーナスよりも前の、あの美術品がッ! 「そ、それだけかよ・・・」って思わずつっこみました。心の中で。
彫刻の麗人の鼻の穴を黙々と刷毛で掃除する人。 「このプレート、どっちのだっけ?」とか言って作品のタイトルプレートを持ってごそごそ相談する人達。 へんなゴムバンドみたいなのでぐるぐる巻きにされクレーンで飄々と運ばれていく彫刻のおじさん。(あれ、誰ですか:笑) 普通に家の前を掃除するようにモナリザの前を掃除してるお姉さん。 もう、可笑しくて、可笑しくて。
うやうやしく掲げられている世界の美術品のこんな姿を見ちゃったわ。という儲けた気持ち。 決して実際には通ることのできない裏通路を通り抜けてる疑似体験。 従業員達の美術への愛が感じられる働きっぷりへの羨望の気持ち。 ほんとうにいいものを見せて貰いました。ありがとう。
これ、10数年前の映画なんですね。知りませんでした。 今ではまた様子も違うのだろうけれど、この映画の中の従業員ユニフォームのデザインはイブ・サンローランだそうですよ! きっとまだまだ見落としている場面が沢山ありそうで、なんだか損をしている気持ちもありつつ(笑) ぜひ、いつかまた、もう一度観たいと思っています。
2004年06月12日(土)
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