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■ スロースターター
私はずっとスロースターターだった。今もそう。
なんでも遅い。物事に目覚めるのも遅い。事を起こすのも遅い。 運転免許だって2年前にやっと取った。 人生のデビューは高校卒業してからだ。と思っている。 それまではあまりにも閉塞的な環境だった。 だから人様の日記とかで20代前半の方の考えていることとか生活っぷりだとかに触れると驚愕することが多い。私からするとかなり早熟(笑)
そしてたまに一回り近く年がちがう人なのに、ものすごく共感してしまう人がいて、画面に向かって「そうよねぇー」とうなずいたりする。
別に遅くてもいいと思ってきた。物事にはそれなりの時期があると都合よく思っていた。 が。現実、年齢制限とか前途の可能性だとかはだんだん厳しくなってくるわけで。
先日やっとの思いでフラメンコに復帰したわけですが。 意外だったのが、私の中であの舞台で 再出発の鐘がゴンゴン鳴ってしまったんですよ。 結構達成感とか脱力感とかでだるだるになると予想していたのに。
そんな時、10年前に私がスペインに短期遊学していた同時期に、こちらはちゃんと留学されていたある一人の踊り手さんが雑誌にどどーんと特集されている記事をみた。 うわぁ。私より年下で同じ時期に同じ場所で頑張っていた(私も一応頑張っていた)のに、その方のフラメンコを求める貪欲さや真剣さや切実さ。そんなものを文字で読み取っただけで苦笑いしてしまった。 しかも彼女、「もうこんな年になってしまった」と焦っておられる。うーむ。
なんと私のゆるいこと。
言葉も一切話せずに行った無謀さ(行けばなんとかなるっていう勘違い)、 近所のおじさんと片言で世間話しただけで終わった日もあったな。 練習よりもバルセロナまで足を伸ばして観たExhibitionに興奮したり、せっかくの本場の歌を聞くチャンスを平気で逃したり、 あまりの孤独感に「帰りたいなぁ」などと思った日もあった。
あれはあれですごく貴重な体験だったし、欠かせない体験だったけど、 「フラメンコを勉強しに行く」には早すぎたのかもしれない。 現に、レッスンの思い出よりも、出会った人との思い出、混沌としていた自分自信のこと、その辺に落ちているように転がっているARTたち。そんなことばかりが残っている。 ええ。それが私にとっての宝だったんですけどね。
で、この期に及んでゴンゴン鐘が鳴ってもなぁ・・・・・。
人生にケツ捲くってスペインに行け!
いやいや、そういわれてもねぇ。 行けないし、行かないよ?私は。 今はそれこそ時期じゃない。(そう思っているから常にスロー)
いつかのその日のためにできる土台作りに励むしかない。 スロースターターは「その時」がくるまでが長いんだ!
といっても・・・「その時」に足腰立たないんじゃ悲しいよなぁ。
2003年11月05日(水)
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