きみはボクらの宝物
小悪魔研究所



 一撃離脱

本日の担当:SHY

 「キミのご用はなに?」
 何のことかと言うと、電話のこと。


 会社からkinaに電話をする。
 だいたい用件は、遅くなりそうだとか、帰り道に何か買う物はあるかとか、そんなことだ。
 私達が喋っていると背後で「かぁるっ! かぁるっ!」 ←かわる、と言っている
 「今、平気?」とkinaが私に訊く。
 とにかくやかましいので、黙らせようと私は「替わってもいいよ」と答える。
 だが、まだ2歳のSizとそんなに話すことなどあるわけもない。
 だいたいは「元気?」とか「今日は遊びに行った?」とか、その程度だ。

 受話器がSizに手渡される音がした。
 私はいつものように「元気?」という質問を用意して、Sizが「はろ〜」と言い出すのを待つ。

 「ばいばいっ!」

 呆然とする私を後目に、Sizはkinaに受話器を戻したようだった。
 「行っちゃったよ。満足したみたい」


 通り魔にやられたような気がした日。

2002年12月26日(木)
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