気まぐれ雑記帳。
< 2003年08月18日(月) > 始まったぜぃ。(&企画SS)
ついにシューレがアンファンゲンしました。 要するに新学期ってか新年度スタート、な稲瀬です。 いやぁ、夏休みあけると面白いね! ひゅーっと伸びてたやつとかいて凄かったよ。(まるでボーリングピン←?) ロッカー争奪戦争とか色々と納得いかない結果で終わったのですが。 (学年ごとに既に場所決められてた…折角30分早く登校したのに!) まあどうでもいいさ。去年と全然変わってないし。へっ。迷子にならずに済む。 クラスは微妙。 女子はいい感じですが男子は微妙。 そういえば女子の数が増えたなぁ。 去年は3だったのが5人になった。まだ少ないけど。それは全体の割合の問題ってことで。 でもやっぱり去年のクラスが一番好きだろうな、いつまでも。 あれは有り得ない組み合わせだった…。 みんなバラバラ。淋しい…;; プリンシパル(要するに校長)のありがたいお言葉、の最中はずっとネタをすってた稲瀬です、爆。 お陰で素敵な大石裏夢が書けそうです。(しかも裏かよ) てか書きたいネタは沢山あるんだよな! 時間が無いわけだ。 ったく、英一なんてやってる場合じゃないよ。(ほんとだよ) 今回のバナー、色合いとか結構お気に入りかも、と思ったら、 自分のサイトで使ってる壁紙と同化してやがる…。 自爆してどうするよ…。 ま、いいか。バナーなんて基本は他サイトから入ってくるときに見るものだしな、うん。 そしてノートパソコンの液晶って、 見る角度によって随分色の度合いが違って見えるんですよね。 濃いんだか薄いんだか。自分でもわかってません。爆。 今見えてるより濃い…のかな。わかんない。 (自分のイラスト見て「薄っ!」と思ったので多分他には濃く見えてるのだろう) 二十万打企画にパラパラと参加者が現れてとても嬉しいですv でもやっぱり海外だと戸惑う方もいますかねー。 オフでの企画ってのも結構抵抗ある方も居るかもしれませんし。 ネット上でも何か作品一つぐらい上げたほうがいいのかしら。 …でもほっとくと大石夢しか書かないような人間ですから。 もうすぐ神尾の誕生日〜。忘れないぞぅ。 そしてその日の夜には火星を見るのだ!ついでにさそり座も。忘れないぞぅ…。 ムギワラギク…いつも覚えておいて…ぷっ。(まだ吹くか) (気になる方は1月19日辺りの日記でも見てみよう) どっきり☆クイズコーナー! Q.大石秀一郎が目の前に現れた。あなたはどうする? A.呼び止める。初対面なのでとりあえず自己紹介をする。握手を同時に求める。ガッチャ☆ …以上。(何がしたかったんだ) どこがクイズだよ、というあなた。 そこら辺がどっきり☆なんだってv(なんてこと…) ガッチャって別にガッチャマンじゃないですよ。 Got youと書いてGotcha!と読む。 元々はI've got you!の略らしい。へー。 日記2万打企画。以下同文。(ぁ ****** 「オレの…オレを生んでくれたお母さん。 オレのこと…嫌いだったんだよ」 「!?」 「二人も要らなかったって…そう言ってた」 ううん、言葉なんて分かんなかったけど。と英二は首を振った。 「覚えてるんだ、オレ。生まれる瞬間のこと。 すっごく苦しくて…外に出たいって思うんだけど、出られなくて」 「一生懸命助けを呼んだんだ。そうしたら、首ががくんって揺れて。 頭引っ張られたってちゃんと分かってた」 「それで…やっと外に出られた。オレはすっごく嬉しかった。 ずっと泣いてたけどさ。…それで、やっと顔を見れたんだ。だけどさ…」 英二は言葉を区切った。 そして、冷たい声でぽつりと呟いた。 「お母さん、笑ってなかった」 英二の目から、一粒涙が零れた。 そのとき俺は、自分の目にも涙が滲んでいることに気付いた。 「やっと頑張って出てきたのにさ…。向こうは悲しそうな顔をしてるんだ。 『アンタの所為でこっちは苦しい思いしたのよ』って言うみたいに。 オレだって苦しくて…頑張ったのに」 「英、二…」 「さっきまで同じ場所にいて同じ立場だった…英一のほうにばっか笑顔向けて。 オレには全然笑いかけてくれなかった」 二粒目、三粒目が零れた。 そして英二は、叫んだ。 「この名前だってそうだよ!双子って似た名前付けられること多いけどさ… 一と二なんて…双子なのに差を付けるなんて…っ!」 英二のしゃくり上げる声が聞こえた。 堪えているようだが、もう一度引き付けるような声が聞こえた。 「だから…オレは捨てられたんだよ。 それでオレは菊丸家に貰われることになったんだよ」 「そん、な…」 信用できなくて、俺は英一くんのほうを向いた。 相変わらずの冷たい眼で、鋭い目付きをしていた。 「この話は、オレも後から聞いたんだけどね。 オレの、この頬のバンソコ…」 英二は絆創膏に手を当てた。 そして、ゆっくりと下に引く。 「……あ!」 「痕が残ってるんだ。出産のときの」 思わず声を上げた俺。 英二は冷静にそう言った。 鉗子分娩って知ってる?と訊かれたので、 素直に首を横に振った。 「ハサミ見たいな道具使ってね、赤ちゃんの頭を無理矢理引っ張りだすんだ」 自分はそれだったんだ、と英二は言った。 双子だから出産が困難だったんだろな〜、とか言っていたが、 あんまり頭には届いていなかった。 「その時…なんの不都合があったのか、傷がここに残っちゃったんだよね。 普通は残るとしても頭部とかもっと上のほうらしいけど」 こめかみの辺りを指差しながら英二はそう言った。 突然に色々なことを吹き込まれて、俺の脳はパニック寸前だ。 つまりは、英二は双子で、頬の下の傷は出産の際のもので。 母親に…嫌われているかもしれなくて。 それだけで充分だ。 余分な情報は捨てよう。 「オレは…必要とされない子供だったんだよ」 さっきも聞いた言葉だな、と思ったら。 英二は更にこんなことを言う。 「神様にすら、見放されちゃったかな…」 「そんなことな……っ!?」 俺が否定しようとした、その時。 『パン!』 頬を叩く、小気味のいい音。 英一くんが、英二を平手で叩いていた。 「な、何をするんだ!」 俺の声をも無視して、 英一くんは俯いている英二だけを見続けていた。 「自分が世界で一番不幸ぶるなよ英二」 「――」 「被害妄想なんだよ、全部」 英二は顔を上げた。 少し赤い頬に、腫れた目で。 「一。母さんはお前のこと嫌っちゃいない」 「え…?」 「二。オレが見たのも母さんの悲しそうな顔だけ」 「え、ちょっと待っ…」 「三。お前は別に捨てられて菊丸家に貰われたんじゃない」 そこで、話は一旦途切れた。 俺は二人の顔を見比べるしかできなかった。 「―――」 「分かったか」 「分かん…ないよ!」 英二の言葉に、英一くんはふぅ、と溜息を吐いた。 少々面倒くさそうにしながらも、一気に喋り始めた。 「いいか。まず…お前を産むとき誰より苦しんだのは母さんだよ。 何時間にも及ぶ出産で…初産なのに双子で」 「……」 「オレは先に出たわけだし、一人分にすれば双子だから体は小さかったし。 結構すんなり産まれた。だから出産時の記憶なんてないけど」 そう。難産だった子のほうが、 出産前後や胎内のことをよく覚えているらしい。 (これはテレビで偶然得た情報だ) 「だけど…これだけは言える。母さんはお前が嫌いで悲しそうな顔をしたんじゃない。 顔にそんな傷を作っちまったこと、不甲斐なく思ってたんだよ」 これは本人に聞いた話だから間違いねぇぞ、と言った。 「産まれて直ぐの記憶…オレも少しだけある。よっぽど印象的だったんだろうな。 …母さん、オレのほう向くとずっと泣いてた。全然笑ってくれない」 「えっ?オレてっきり、お前にばっか笑いかけてたんだと…」 「違う。泣きっ放しだった。…本人には、泣き顔なんて見せたくなかったんだろ」 英一くんは地面を蹴った。 少し砂が飛んだ。 「名前だって、差をつけようとしたわけじゃねぇって。 二人目に産んだ子だって忘れないために、母さんが考えてつけたんだ。 英っていう字は、オレたちに繋がりを持たせたんだと。…生き別れたりしても平気なように」 「う…そ……」 「もっとも、そんな名前じゃなくたってそれだけ苦しんで産んだ子を忘れるとは思えねぇけど」 英一くんは久しぶりに笑った。 といっても、苦笑いに近いそれだったけれど。 「最後に一つ。オレだって、今まで母さんと暮らしてきたわけじゃない」 「えぇっ!?」 英二は、ベンチから立ち上がった。 「じゃあ、お前なんでそんなに知って…」 「母さん…養子先のな、に全部聞いた。オレの出生のこと。 ちょっとの情報から、母さんの居場所を探り当てた。一週間前」 俺は呆然とベンチに座り尽くしていた。 前で交わされている会話には、とてもじゃないが入り込めそうに無い。 そのままそこにそうしていることにした。 瞬きをぱちぱちと繰り返す英二に深く溜息を吐くと、 英一くんは問いを仕掛けた。 「お前、母さんはオレたちを産んだとき何歳だったか、知ってるか?」 英二は首を横に振った。 英一くんはもう一度溜息を吐いた。 「15歳だよ」 「……えっ!?」 気の遠くなるような話だった。 できれば耳を背けたいが、そうもいかないような気がした。 「彼氏とヤったら、一発目で出来ちまったんだってよ」 苦い笑いを、した。 「家族にも話せなくて…大変だったってよ。 結局下ろすことも出来なくて、出産することになったって」 「15歳なんて…オレと変わんない…」 「学校も退学だぜ?お陰に彼氏とはその後続かなかったって。 全く…不幸な話だよな」 きっと目線を真っ直ぐ見据えると、英一くんは言った。 「だけどやっぱりまだ育てるなんてことも出来なくて、 オレたちをそれぞれ違う家へ預けたんだって」 「…知らな、かった」 ふぅ、とまた溜息を吐いた。 さっきから何回目になるだろう。 「母さんがそこまで苦労してオレ達のこと産んでくれたんだよ。 それを…忘れるなよ」 それだけだ、というと英一くんは背を向けた。 もう…行ってしまうのか? それだけ言って? 悲しそうな表情だけを残して? 「待…」 「待って!!」 英二の声のほうが大きかった。 「それだけ…それだけを言うために来たの? 違うだろ?もっと…なにか理由が…」 振り返ると、英一くんは一言述べた。 「オレはこれから本当の母さんと暮らす。 その方が苦労は多いかもしれないけど…オレはそれで満足だ」 「え、それじゃあ、オレは…」 「…本当はお前も誘いに来たんだよ」 「え……?」 再びこっちに歩みよってきて英一くんは言う。 「お前、今幸せ?」 「へ?」 「幸せかってきいてんだよ!」 英一くんは牙を剥き出した。 尖った八重歯。英二と同じだ。 「幸せ……?」 英二が訴えるようにこっちを振り向いた。 俺は、笑顔を返した。 きっと、答えは英二もわかっているはずだ。 「幸せ…うん!オレ今幸せ!」 その言葉に、「その平和ボケした顔りゃ分かるよ」と 英一くんは吐き捨てるように言った。 「だったら、無理にくる必要ねぇ」 「……」 「どうしても来たいって言うなら、それはそれでいいけどよ」 どうする?と訊く英一くん。 英二は…首を横に振った。 「オレ…お母さんのこと勘違いしてた。今日はその誤解が解けてよかった。 いつか本当のお母さんに会いに行きたい。でも……」 ぎゅっ、と英二の拳に力が篭るのが見えた。 心の中で俺は、頑張れ、と声援を送った。 強い言葉で、英二は言い切った。 「オレ、菊丸家が好き。今の生活が好き。だから…」 「なら、来る必要はねぇって」 「――」 にこ、と、英一くんは初めて微笑んだ。 悪意の全く篭っていない、優しい笑顔。 少し哀愁は漂っていたが、ともかく。 英二の笑った顔にそっくりだ、と思った。 「大切にしろよ、今の生活」 「う、うん…」 英一くんは、これ、と一枚の紙切れを英二に渡した。 きっと、連絡先か何かだろう。 くるりと背中を向けると、歩き始めた。 そして、言う。 「…オレたち親子の中で、一番幸せに暮らせてたんじゃねぇの、お前」 「………」 「全く、それなのにこっちが悪者扱いされちゃ堪んねぇ…」 ぽりぽりと頭を掻きながら退場していく背中に、英二は叫んだ。 「…ありがと、英一ぃ〜〜!!」 「うっせ!叫ぶなこの幸せボケ野郎っ!」 振り返った英一くんの表情は、 怒っているように見せていたけど…穏やかだった。 同時に仲直りも済んだかな、なんて思ってしまった俺だった。 ****** 今日の分は結構長かったですね。 ハッピーエンドに向かってまいりました。 ああ…これでやっと終われる…。 あと一回だ。パタ。 …そこまで苦しむならこんな話書くなよって感じですね。はい。 あーあ、全世界の菊丸ファン敵に回した気がするよ全く。 |
●かくれんぼ● |