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 わすれられない戒。9
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ココのあらまし説明をつけてみました。
初めての方・概要を知りたい方などは、
>>コチラからどうぞ。
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*****
一番最初に、名前を呼ばれる。
診察室の前を通り過ぎて、
キレイな入り口に誘導される。

そこには、

数台のキレイな、整えられた、ベッドがならんでいた。

「じゃぁ、ここに荷物をいれて、」

案内されたのは、奥から二番目のベッドで、
他のベッドと違うのは、
きれいに整えられたシーツの上に、
碧のシートが一部分、ひかれていること。

すぐに、その意味を理解する。

「荷物はロッカーに。
 靴も全部いれてくださいね。」

普通の病院の入院室なら、
きっと、ここに収納テーブルみたいなのがある。
その代わりのように、
小さめのロッカーがあった。

下半身の着衣を全部脱ぎ、
荷物などと共にロッカーにしまい、鍵をするように指示し、
看護婦さんは部屋を出て行った。

ガランとした、空間。
キレイ。キレイな部屋。

指示されたとうりに
下半身の着衣を全部脱ぎ、
もちろん、下着も。
荷物をしまって、ベッドに腰掛け、
キレイで空虚な部屋を見渡した。

特別な服にきがえたりするんじゃないんだなぁー・・・

とか、ボーっとしたことを思う。
腰かけている部分は、
碧のシートのひかれた部分。
ちょうど横になっても、
多分、下半身、オナカの辺りから、
ひざくらいまでの幅をカバーするのではないだろうか。

その意味。

それは簡単なことだ。
手術前、手術後、
シーツを汚さないため。
汚れることを防ぐため。

(・・・つめたい・・・)

よく、ドラマなんかで、
手術のときに医者が来ている着衣の色。
もしかしたら、同じ素材なのかもしれない。
緑。
血の色、赤色の反対色。だから、この色・・・・・・。


私が案内されたのは、奥から二番目のベッド。
だれもいないその部屋は、
ベッドは数台あるものの、
その必要もないので、
カーテンなどは閉まっていない。
ベッド個々を区切る、カーテン。







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あぁ。やっぱり、「同じ。」なんだなぁ。


などと、鈍く確信する。

枕元には、術後の患者が吐いたときのための容器。

広い部屋。
だれもいない。
アタシしかいない。

下半身まるだしでまっているなんて、
なんだか滑稽だなぁ、なんて、
なんとなく、笑った。



・・・・・・
この時点にきても、
「実感」なんて、あるつもりでも、まだ、ない。
なかったんだと、今は思う。


>>続く・・・・



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2004年02月18日(水)
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