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 わすれられない戒。10
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ココのあらまし説明をつけてみました。
初めての方・概要を知りたい方などは、
>>コチラからどうぞ。
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しばらくして、
名前を呼ばれる。
先導する看護婦さんと共に、
部屋を移動する。
裸体の下半身。
普段着の上半身。

てくてくと、ついてゆく。
ほんのすこしの距離だけど。
なんて滑稽。

手術は、
あの診察台。
産婦人科の、あの診察台。
腰をかけて、両足を開いて固定される。
いすが上にあがり、背中は下にさがり、
ねころがった状態になる。
お尻の下。座っている部分ががたんというオトとともに、
開く。

腰の辺りにはカーテンがあるから、
自分の足元なんて、みえない。

明るい室内。
消毒薬の匂い。

屈辱的な格好だよね。
なんてやっぱり思ってしまう。

カーテンの向こうの器具。
数人の看護婦さん。

見えない視界。
だけど、
気配と音で感じ取る。


「麻酔しますねー」


左手は心拍数。
右手は点滴をする。


「内診しますねー」


顔もみていない先生。
医療用の手袋をつけた指が
膣の中にはいってくるのが、わかる。
何かの器具が、はいってくるのが、わかる。

「***はいりましたー」

点滴をみながら看護婦さんが何かを先生に伝える。
よくきこえない。
コンナに近くなのに。

頭のおくから、じんじんとしてくる。
じわじわ、というほうがあっているかもしれない。

世界が異次元に感じる。

体の感覚が、自分のものではなくなる瞬間。


「じわじわじわじわじわじわ」

耳鳴りのような音とともに
視界はジラジラとした黒いものでおおわれてゆく。


「******」
「******」

看護婦さんがなにかゆっている。
先生が何かゆっている。
アタシがなにかを応えている。











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色彩を異様に濃くしたような、
明度を異様に明るくしたような、
ブラウン管に映る映像のような、
はずしたヘッドホンからもてれくる音声のような、

そんな記憶。



>>続く。。。。。。。







2004年02月19日(木)
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