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 ゆびさき。握りしめた夜。18
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ココのあらまし説明をつけてみました。
初めての方・概要を知りたい方などは、
>>コチラからどうぞ。
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意味ありげに。
握り締めた指先は。

とてもあたたかくて。
とても心地よくて。

一瞬がとても長くおもえた。
いや、単に長くあってほしかっただけなのかもしれないけど。


なにもゆわずに、
アタシのなすがままでいてくれた、
カレ。

ケイは席を立ってたから。
だれも起きてないし、
きいてないのに。

振り払うこともせず。
『なにー?』
っていうこともせず、
ただだまって、
アタシに握り締められてるままの、
その現状を受け入れてくれていた。

そこになにか意図があったことを。
きっと悟られているんだろうけど。


アタシは甘えた。
一度は捨てたはずの打算。
弱っていたのか。甘えたかったのか。

カレがなにか悟って、
何かいいだしてくれるのを待っていたのか。

指先をにぎりしめながら、かんがえていたことは、

何も覚えていない。


単に本当に真っ白だったのかもしれない。



++++++
そんな甘い時間はすぐにおわる。
ケイはすぐにもどってきたし、
アタシはすぐにかえらなくちゃいけなかったし。


『かえるーーーー』

握り締めた指先を離して。
何事もなかったかのように、立ち上がる。


仕事がんばってw


玄関までケイにみおくられながら、
ありがとっていいながら、
ケイ越しにいるカレをみた。

無言で、

『じゃー』

といったしぐさをみせてる。
おつかれ。
そういってケイの家を後にする。


ケイの家から、歩きながら帰りながら。
数回無視していた旦那様からの電話にでた。


『いま、かえってるから。』


一応。
心配はしていたのかな。
旦那様。

でも。
家に帰ってからの会話は簡潔。






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それだけ、かな。
それで朝までねむってたや。って。
7割本当。3割うそかも。

それ以上はなにも聞かれない。
そして、
昨日の言い合いはなかったかのように、
話題にならない。


私からも。
旦那様からも。


自然な会話。
自然な朝の風景。



なんて不自然・・・・・・。


>>続く(次回最後。)








2003年04月06日(日)
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