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■ ゆびさき。握りしめた夜。17
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ココのあらまし説明をつけてみました。
初めての方・概要を知りたい方などは、
>>コチラからどうぞ。
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悟っているような。 探りをいれているような。
そんなカレの発言。
なぜかなんだかちょっとだけ、 ちょっとだけ、切なくなった、アタシ。
『ああーーーねむい!!!』
わざとらしくおおきくゆって、 再びコタツに横になる。
アタシはカレの隣だから、 カレは両手を床につけてすわっていたから。
必然的に触れるくらい近くなる手。
掌。
・・・・指先。
何がせつなかったんだろう。 『なんでもないよ』 ってゆったとき、 『そーですかw』 という反応したくせに。 それ以上踏み込む気配はみせなかったくせに。 だから、 だから、甘えるのをやめておこうと、 思いとどまれたのに。
甘えたくて、 甘えたくなかった人。 スキナヒト。 傍に居る人。 今。ここで。 隣に居る人。
・・・・カレ。
何気ない優しさをみせないで。 何気ない探りをいれてこないで。
アタシの問題だけれど。 それはアタシの問題だけれど。
アナタにアマエテシマイタクナル・・・
ケイがトイレに立って、 その空間に起きていたのは、 横になったあたしと、 座ってるカレだけになった。
カレはアタシが起きているのをわかってたから。 眠る前のように、 ユビで悪戯をしようとする。
軽い悪戯。 自分の発言のせいで、アタシがへこんで 横になってるのではないか、ということを、 確かめるような、 伺うような、 悪戯。
『・・・・・』
いつもは冗談っぽくたたいたり、 払ったりしてるのに。 アタシは。
いつもではないことをした。
いつもとちがうように。 少しだけ強引に。 カレの動きを封じるように。 甘えるように。 意味深なように。 無言で。 顔をそむけたまま。 コタツというみえない、 空間の中で。
カレのゆびさきを、 両手で握りしめたんだ。
『アタタカイネ・・・・・』
ちっこい声で、つぶやいて。
2003年04月05日(土)
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