窓のそと(Diary by 久野那美)
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2000年11月28日(火) |
とりかえしのつかない距離 |
何かと何かが 「どこまで、どんな風に関わることができるのか」ということよりも、 「どこまで、どんな風に関わることができないのか」ということの方が気になる。 ふたつのものとものとの間にある「距離」が気になる。 「距離」というのは、共存するふたつのものが全く共有していない部分の名前だ。ふたつの別々のものを同じ場所に共存させる部分の名前だ。 その距離が遠ければ遠いほど。その場所の面積は大きくなる。
このところいちばん気になっている「距離」は、おなじふたつのものの間にある距離。 おんなじなのにとりかえしのつかないほどに隔たってしまったふたつのものの間の距離。たとえば「かつてこんなことがあった。」という話をするとき、 話されている自分は、話している自分から最も遠くにいるひとのような気がする。 ふたりの自分は、遠く距離を隔てて向き合うことさえできない。 「とりかえしのつかない距離」をはさんで同じ方向を向いている。
その間にある「距離」のことを考えていたら。さようならの物語になった。 書いたのはすでに半年前の私。 そのときの私に遠く思いを馳せながら稽古をしている。
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