ある精神病院の風呂場で、患者が釣り糸を垂れていた。通りかかった医者が、声をかけた。「どうです?釣れますか?」患者は答えた。「釣れるわけないでしょう。ここは風呂場ですよ。」 **********虚構の中のリアリティについて考えるとき、いつもこの話を思い出す。ものを創るときにいちばん排除するべきものは、この医者の目だと思っている。思いっきり大きな、リアルな嘘をつきたい。