窓のそと(Diary by 久野那美)
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あの日。空は遠くまできれいに晴れていて。 私は持っていた靴を片方、空へ向かって投げた。 真上に向かって投げた。 靴は雲の向こうに吸い込まれて見えなくなった。 そしてそのまま落ちてこなかった。 いつまで見ていても落ちてこなかった。
秋の空を見ていると、 どうしてだか何かが落ちてくる「はず」のような気がするので、 そんな思い出を捏造してみたりする。 そうすると、 もう片方の靴がまだ手の中にあるのに気づいたりする。
でたらめの思い出の効用。
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