2008年08月05日(火) |
微熱気味な生産者余剰と社会的余剰
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37℃台の微熱が続いてる。気分は爽快なんだけど、体温計はぬるい。
今回は生産者余剰、さらに社会的余剰について。
消費者余剰と同様に、生産者余剰という概念も用いられる。生産者余剰とは、生産者が実際に受け取った額から生産のための可変費用を差し引いた額として定義される。簡単にいうと、生産者の得る利益ってことになるんだ。
このとき、短期の供給曲線は前回説明した限界費用曲線になるんだ。なんでかっていうと、生産に対する可変費用は、限界費用までの範囲になるから。限界費用の範囲までしか費用を増やさないってことね。
で、生産量が増えるに従って限界費用が高くなるという右上がりの短期の供給曲線(U字型のグラフの右側の方)ができあがるんだけど、完全競争市場での適正価格で製品は売れているわけだから、その差(儲け)が生産者余剰(生産者の満足)となるのさ。
縦軸に価格、横軸に需給量のグラフを書いてみて。ここで、市場均衡価格がP*だったとして、供給曲線の縦軸切片Dと需要曲線との均衡点EとP*で囲まれた部分の面積(P*ED)が生産者余剰になることを確かめてみて。市場全体の生産者余剰は、こんなふうに個別の企業の生産者余剰を合計して求められるんだね。
消費者余剰と生産者余剰の和は総余剰と呼ばれている。消費者余剰というのは消費者にとっての便益、生産者余剰は生産者にとっての便益だから、両者の和である総余剰は社会的便益を表す指標となりうるので、社会的余剰と呼ばれている。
社会的余剰っていうのは、グラフを作図した人ならすぐに分かると思うんだけど、需要曲線と供給曲線の交点で最大になる。消費者や生産者がどれだけ満足することができるか、ということを表すときに便利なツールとなる。この社会的余剰を基準にし、独占や政府の市場介入などの問題点、効率性を評価することもできるということだ。
ちなみに、社会的余剰が最大になるのは完全競争市場の場合。三角形と三角形の双方が最大の大きさになるからね。
じんましんもポツポツと…。
病室で妄想する経済理論(目次) 1 愛と平和のインフレ・デフレ 経済学にハマッテしまったある入院患者のボヤキ 2 冷静と情熱のミクロ 各家計や企業の経済活動を分析するのがいわゆるミクロ経済学 3 疾風怒涛の供給曲線 人間の営む経済活動の大前提を考えてみると、それは、欲望は無限、資源は有限、この有限な資源をどう使うのか?という問題が常に立ちはだかるということになる 4 マニー・ラミレスとケン・グリフィー・ジュニアの市場メカニズム 『市場』における需要と供給の関係 5 放置プレイな完全競争市場 1 売り手と買い手が多数存在、2 価格支配力を持たない、3 同質の商品である、4 情報の共有、5 参入障壁がない、という5つの前提条件 6 いとしの消費者余剰 『消費者が求めずにいるよりはむしろ高い価格を支払ってでも求めたい財を、低い価格で購入した場合、それによってもたらされる効用』 7 ここが我慢の限界費用 生産量を一単位増やしたときに必要な追加的費用
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