倉沢資成の入門価格理論が手元にあるので、これからは、正確に記述できるような気がしてきた。サンキュー、妻よ。
さて、 今回は、いとしの消費者余剰。
最近も、官製談合や教員採用汚職なんかの記事が出て、マスコミは賑わっているけど、これらの不正は経済学的に見ると、不完全情報や独占、寡占といった完全競争市場を阻害する原因にもなっている。結果、消費者(納税者であったり、児童生徒、保護者であったり)の余剰(満足感)の損失が出ているんだ。つまり、経済学的にこれらの不正は何故いけないのかという説明もできんだね。これを理解するための道具として、消費者余剰の理論はぜひ押さえておいてほしい。
まず、消費者余剰の定義なんだけど、これは、『消費者が求めずにいるよりはむしろ高い価格を支払ってでも求めたい財を、低い価格で購入した場合、それによってもたらされる効用』のことをいう。ん?わかりにくい?だ・か・ら、『消費者がある財に対してすすんで支払ってもよいと考えている最大の価格から、実際に支払った金額を差し引いた額』のことを消費者余剰というんだ。購入予定価格−市場価格=消費者余剰というと、ちょっと乱暴な表現になっちゃうけど。
たとえば、リンゴを買おうと思っている人が5人いて、それぞれ200円、180円、160円、140円、120円までなら買おうと思っているとする。このとき、市場価格が140円だとすると、予算120円の人以外の4人が買うことになるだろう。
その場合、経済学上、200円で買おうと思っていた人なら60円を節約できたから60円分の効用(満足感)を得られた、と考えるんだ。同様に、180円の人は40円、160円の人は20円、140円の人はゼロとなって、買った人の効用の合計は、60円+40円+20円=120円という計算になる。そして、この5人に限定した場合、この効用(節約した満足)が消費者余剰と呼ばれるものになるんだ。つまり、市場全体の消費者余剰は、各消費者の購入予定価格と市場価格の『差』の合計ということなのよ。
もちろん、実際の市場ではもっともっとたくさんの消費者がいるわけで、その消費者余剰がどれくらいなのかを考えるときに、需要曲線が必要になるのね。
縦軸に価格、横軸に需給量のグラフを書いてみて。右下がりの需要曲線、右上がりの供給曲線の書き方は、前に話した通り。ここで、市場均衡価格がP*だったとして、需要曲線の縦軸切片Cと供給曲線との均衡点EとP*で囲まれた部分の面積(P*EC)が消費者余剰になることを確かめてみて。ね?なるでしょ?!
外は暑そー。
病室で妄想する経済理論(目次) 1 愛と平和のインフレ・デフレ 経済学にハマッテしまったある入院患者のボヤキ 2 冷静と情熱のミクロ 各家計や企業の経済活動を分析するのがいわゆるミクロ経済学 3 疾風怒涛の供給曲線 人間の営む経済活動の大前提を考えてみると、それは、欲望は無限、資源は有限、この有限な資源をどう使うのか?という問題が常に立ちはだかるということになる 4 マニー・ラミレスとケン・グリフィー・ジュニアの市場メカニズム 『市場』における需要と供給の関係 5 放置プレイな完全競争市場 1 売り手と買い手が多数存在、2 価格支配力を持たない、3 同質の商品である、4 情報の共有、5 参入障壁がない、という5つの前提条件
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