2004年07月28日(水) |
誰を守るための法律なんだろう。
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男性を監禁して暴行したとして逮捕監禁致傷罪に問われた被告の男(33)の初公判が28日、東京地裁であった。被告は「被害者を殴ったのは事実だが、『俺は人を殺したことがある。』というセリフは言っていない。」などと、起訴事実の一部を否認した。
男は、17歳だった1988年、女子高生(当時17歳)を足立区内の仲間の自宅に約40日間監禁し、虐待の末に殺害、遺体をコンクリート詰めにして捨てた「女子高生コンクリート詰め殺人事件」での準リーダー格。殺人罪などに問われ、1991年に懲役5年以上10年以下の不定期刑が確定。約8年間服役後、出所していた。
検察側は、この日の冒頭陳述で、被告の男が被害者の男性に「俺は女を監禁して少年の時に10年懲役に行って来た。」と事件に触れ、「警察を騙したり、検事を丸めこむノウハウを学んだんだ。」と話していたことを明らかにした。
起訴状によると、男は5月19日未明、東京都足立区の路上で、男性に因縁をつけ、「人を殺したことがある。」などと脅して、顔を殴るなどして、乗用車のトランクに押し込み監禁。埼玉県三郷市のスナックまで男性を連れて行き、店内でも「俺の女を取っただろう」などと脅して暴行、男性に10日間の怪我を負わせた。
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15年前、1988年11月25日夜、アルバイト先の工場から自転車で帰宅する17歳の女子高校生に男が言いがかりをつけ、自転車をけり倒した。
そこへ別の男が現れて、少女を助けた。少女は善意の男のバイクに乗せてもらっう。
・・・しかし、言いがかりをつけた男とバイクの男はグルだった。彼女を民家に連れ込んだ。そこへ新たに2人の仲間が加わり、殴る蹴るの暴行。そして、毎夜、集団強姦した。ろくに食事も与えず、ライターで身体に火をつける。
壮絶な暴行は41日間続いた。
少女は衰弱死した。
男たちはドラム缶とセメントを盗んだ。そして、遺体をコンクリート詰めにした。
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●綾瀬・女子高生コンクリ殺人事件 冒頭陳述書抄(平成元年7月31日)
強姦後、宮野及び小倉は、部屋にあったT字型カミソリで**の陰毛の一部を削り、更に**の陰部にマッチの軸を差し込み、マッチの頭にライターで点火し、**が熱がるのを全員で打ち興じて見ていた。
同年一二月中旬ころ、被告人四名のほか極青会仲間の星寿和(当一七年)が伸治の部屋に集まっていた際、**が「家に帰して。なんでも言われたことをするから。」などと哀願したところ、宮野がまず**に命じて全裸になって音楽に合わせて躍らせ、更にオナニーをさせた上、続いて、宮野、星、小倉及び伸治において順次長さ三〇センチメートル位直径三センチメートル位の鉄棒の先にコンドームを付け、これを**の陰部に各数回ずつ挿入する行為をし、更には、伸治及び星において、オロナミンCのビンを**の肛門に、右鉄棒をその陰部に同時に挿入し、また、宮野においてその陰毛をハサミで切るなどして、皆で面白がった。
また、**は、伸治の両親のいる間は階下のトイレを使わせてもらえず、五〇〇CC用飲料パックに小便をさせられていたが同月二五日ころ、その小便がこぼれて伸治の布団を汚した。そのため、小倉及び伸治は、「てめえなんで布団の上にこぼすんだ。」などといって、こもごも手拳でその顔面を数十回にわたって殴打した。その結果、**の顔面は頬と鼻の高さが同じ位になり、眼を開けているのか否か外見ではわからないほどに腫れ上がってしまい、それを見た小倉及び伸治は、「何だ。おまえ、でけえ顔になったな。」と言って笑った。
そして、その翌日、伸治が宮野に自慢げに「先輩あいつの顔を一度見てやってください。ひどく腫れ上がっちゃっているんですよ。」と話したので、宮野は、小倉及び伸治と共に伸治の部屋へ行き、ぐったりして寝ていた**に対し、「おまえは俺に冷たいところを踏ませていたのか。ふざけているな、この野郎。」などと怒号し、**が「ごめんなさい。」と繰り返して謝っても聞き入れず、その下腿部等を手拳で数十回にわたって殴打し、さらに、**の上半身を裸にしてベランダに立たせ、牛乳と水を大量に飲ませた上、たばこを二本一度に吸わせるなどし、引き続いて、宮野、小倉及び伸治の三名は、**の両大腿部、膝、すね等にジャンボオイル(揮発性の高いライター用油)を注いだ上ライターでこれに火を付け、**が熱がって両手で消そうとすると、その手にもオイルを掛けて火を付け、火が消えたら、またオイルを掛けては火を付けるということを繰り返し、**がその間苦しみ悶え、「殺して、殺してよ」と泣き叫ぶ姿を見て笑っていた。そのため、**の手の甲は皮がぺろんとむけ、大腿部等には水胞ができ、あるいは赤黒く変色し、皮がむけるという状態となった。
(殺害の日) **に「小倉羊羹」を食べさせて、その名前を聞き、**が「オグラ」と答えると、「小倉を呼びすてにした」などと因縁を付け、**が「オグラさんです。」と答え直すと「羊羹にさん付けするとは何だ。」と文句を言い、更に小便をこぼしたと文句を言って、宮野、小倉及び伸治が、**の脚部、腕部、脇腹等をそれぞれ多数回にわたって手拳で殴打した。
次いで、宮野及び小倉が、古ローソク二本に火を付け、仰向けにさせた**の顔面全面にわたって蝋を垂らした上、短くなったローソク二本をその両眼瞼の上に立てた。
また、宮野及び伸治は、**に命じて、五〇〇CC用飲料パックに入っていた尿をストローで飲ませた。
宮野、小倉、伸治及び渡邊は、ゴルフスイングの要領で、三〇センチメートル位の鉄棒の先に重さ一・六キログラム位の鉄球が付いたもので**の大腿部等をそれぞれ数十回にわたって殴打し、恒治も、宮野の指示を受け、同様に三回位殴打した。
宮野及び小倉は、**の両大腿部、膝部等にジッポオイルを注いでは火を付けることを繰り返し、そのため、**は最初はゆっくり手を大腿部に移動させ、火を消そうとするしぐさをしていたが、最後には反応を示さなくなるに至った。
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少年法ばかりではない。刑法界の主要な学者たちは、加害者の人権を主張することを常とし、被害者や、その家族の人権などに配慮することは希薄だった。そして、彼らの著作を精読する法学徒も次第に批判的論理を失い、人権派の術中に嵌っていった。結果、法曹界に、偏向した思考が蔓延しているのが現状である。
法学徒であった人々が中心となっているであろう新聞各社も、また同様である。今回の報道姿勢に現れている。成人犯罪は通常、実名報道である。それを、少年法を『適用』して、敢えて匿名としているのである(一方で少年犯罪歴を披露するというチグハグなことをしている。)。
確かに、少年法は、国によって少年の権利を保護するための規定を定めているという法律である。特別法の優先によって『保護』されると、もはや刑法の少年への直接適用はない。さらに、公法という性格上、加害者・被害者間の民民の利益調整は想定されていない(公法が制限されるのだから、民民に対する何らかの救済措置が必要だと思うのだが。)。
それでも、問いたい。
何故、男を過剰なまでに保護するのだろうか。弱者(少年・・・?)保護優先を旗印とする人権派の反発を恐れているからなのか。国民の多数が人権派だったとしても、法適用に裁量は認めることはできないのだろうか。
犯罪は社会の鑑である。このような状況をこのまま放置し続けていたら、再び同じような事件が起こるに違いない。
【Referer】
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