1月20日 今日は二十四節気のひとつ「大寒」。「寒さがきびしく 降雪あり。」との暦のとおり、朝の冷え込みがきびしい日ではあった。 こんな寒いときにも育つ作物があるのだから、自然の生業とは不思議でもあり素晴らしくもあり。
「ねぶかネギ」は、寒いときに出てくる新しいところが美味。夏場の暑さの時には白くまだら模様をしていたものが、鮮やかな黄緑色を身に纏いピンと育ってくる。鍋に入れて煮込んだネットリ感が、冬の味覚珠玉の舌触り。 「裸麦」も、この寒いときにジワジワと育ってくる。例の「渡りガラス」に突っつかれた圃場も、次第次第に緑を増して来る今日この頃です。
「花の咲かない寒い日は、下へ下へと根を伸ばせ。やがて綺麗な花が咲く」 は、マラソン選手の高橋尚子さんが好きな言葉。 そんな言葉を思いながら、圃場を見回り小さな麦の芽を見る百姓の喜び。 このところの寒さと降雨の多さで野菜類の育ちは悪いが。
このところの主作業は 平成16年の台風来襲でもって、土砂に埋まったままとなっている段々畑の復旧作業。流れ出ている土砂を使って、崩れた石垣を一から積み直しいるのだが、あの災害からかれこれ十年も経過している今日のしんどい作業ではある。 荒れ野を開墾して農地を広げるのが 百姓のはじめ とはいっても、一日でできる作業は限られすぐ夕焼けのころ。足元から這い上がってくる寒さを痩せ足に纏わり付かせ、帰宅した我が家に待つ44℃の風呂入りが珠玉の時。
人間下を向いて仕事をしている事が一番。
こんな平穏無事な生活を謳歌する我が耳にも、西条の騒々しさが聞こえてくる。感じることは 「一番大きな権力を持つ者が、一番謙虚でなければならない。」ということだろうか。
謙虚=弱腰 としか理解しない輩が、権力の座に着いた時の不幸を思う。
時は今 大寒。
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