2005年07月08日(金) |
アウトソーシング PFI 指定管理者制度 No8 |
公の施設へ指定管理者制度の導入を図る場合、その施設の業務内容を如何に設定するかは、行政がその施設を使って地域住民のためにどんなサービスを提供するのかという存在意義に関わってくる。
新聞報道にあった「宇和島市における市営プールへの指定管理者制の導入見送り」は、その施設が地域にとってどんな存在であるのかという事の明確化と、その施設で活動する市民団体との事前調整の重要性を示唆しているようで興味深い。
地域住民が、社会への参加意識と公への奉仕という観点から、公共施設におけるボランティア活動が盛んに行われている。それは行政と地域住民との協働による地域づくりを進める上で、これからもその重要性を増してくるだろう。 コミュニティー施設、教育施設、文化施設、体育施設、福祉施設における運営への住民参加。それに加え公園等についても清掃奉仕などの協働作業は、住民の公への奉仕という行為によって、行政のコストを下げるという相乗効果をもたらす。
このような崇高な行為が、施設を一括管理する指定管理者の管理運営と、相容れないものとなるような気がする。 だから、現在の委託管理を指定管理者に置き換えることはスムーズに進んでも、その指定管理者の運営内容によっては、現場に様々な軋轢を生じることとなりかねない。 そのような事が起これば、施設から地域住民の足を遠のかせる事となりはしないかと、私は今から懸念を持ってしまう。
M県K市でのPFI方式による図書館の建設運営を視察研修したおり、図書館ボランティアの受け入れをどのようにするのかという疑問を持ったのだが、その疑問と同じ種類のものが、この指定管理者制度導入の過程の中から見えてきてしょうがない。
このような私の疑問を「企業経営に認識のある選定委員の方々が」素晴らしい指定管理者を選んで、キレイサッパリと払拭してくれるだろうと多いに期待しているのだが。
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