一色達夫の日記

2005年06月29日(水) 深刻化する水不足

5月 6月の小雨のため、水不足が深刻化している。
大谷地区では、日常用水は簡易水道が完備されているので問題ないが、水田灌漑用の井戸が軒並み枯れているので、水稲の植え付けが出来ない。
私の家でも自家井戸を利用しての水田が34aあるが、4aだけ作付けした水田に灌漑できないので、表面がひび割れ白く乾いている。
他、ため池掛かりが8aと共同水源掛かりが49aの水田は、例年よりも大幅に遅れたが何とか田植えが出来、今日は除草剤の散布までこぎ着けた。

議会と田植えで手一杯で、渇水の状況を見て回ったワケではないが、自家井戸が枯れた事で西条市全体の深刻さが把握できる。
聞こえてくる話では加茂川の流れが途切れ、したがって自噴が止まったようだ。旧西条市で行った 地下水資源調査報告 を待つまでもなく、武丈のあたりまでの流水がないと自噴はしない。昨年の台風災害による土砂流失によって加茂川が目詰まりし、自噴のための水浸透が少なくなっているとの指摘もあるが、それ以上に異常小雨の影響によるところが大きい。

大谷の簡易水道は、私が二十歳頃の渇水による生活用水不足があった事により、市によって昭和50年に整備されたものである。
この地域の地下水位は地表下10mほどのところにあるものを、生活用水や水田灌漑用として使用している。簡易水道の水源はその下20m地点から水中ポンプによる汲み上げなので、有り難いことにこれまで30年間枯れたことはない。
この簡易水道を整備する当時、まだ若かった父は「水源が無い所に深井戸を掘って多量に水を汲み上げる事には疑問がある。水源を加茂川水系から引いてきてほしい。」と言って、市役所の担当者まで訴えていったらしい。そんなことをして当時事業を推進する立場の自治会役員さんなどに迷惑をかけたらしい。

現在この地域で整備が進んでいる「東部地区上水道整備事業」は、父が言っていたように加茂川水系からの水源確保によって進められる。
30年の時を隔ててやってきた渇水に、鬼籍に入った父の「そら見ろワシの言っていた通りになっただろう」との得意げな笑い顔が見えるようだ。

思えば一色達夫も父の子。周囲から見れば流れに逆らう行為ばかりを率先しているように感じられるのでは。
二十歳の頃は嫌で嫌でたまらなかった父の行為が、逝ってしまってから何となく理解できるようだ。34℃に上がった暑さのなか、降らないお天道様を見上げてふと想う。


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