一色達夫の日記

2005年06月19日(日) 有機JAS制度についての一考察

昨日代かきした18aの水田に田植え。今日はこの仕事で一日が終わったようなもの。

日曜日だから議員の仕事も日曜日といきたいところだが、それでは市民に申し訳ないから 農業関係 の情報を一つ披瀝。

有機JAS制度が出来て5年目を迎えているが、ここにきて国内の認証が伸び悩み認定機関の登録取り消しが出始めているということだ。6月17日付け全国農業新聞の一面にそんな記事が出ている。
西条市産業情報支援センターが「有機JAS認定機関」として登録され、認定実績が出ているとの話を誰かがしていたが、その話を聞いて私は「それはどうもご苦労さん」とだけ思った。

そう思ったのにはワケがある。
農業委員を一期務めていた3年の間に、農業に関する様々な講演を聞いたり視察研修を行って 勉強 させてもらった。その中に重信町(現東温市)で会社組織で農業を大々的に展開している社長の話を聞く機会があった。講演が終わっての質問で有機JASの話がでたのだが、社長曰く、この制度は手間ばかり掛かって生産者にも消費者にもメリットが見いだせないので私方では取り組んでいません。それよりも「{どういう農薬をどれだけ使いました}ということをハッキリ言ったうえで、結果販売価格がこれだけです。」というふうにするほうがどちらにもメリットがあるのではないですか。ということだった。
それまでの私は、農産物の有機栽培に対して時代の要請に添うものだろうと漠然とした想いを抱いていたのだが、この社長の話を聞いて、同じ農民として目から鱗が落ちるような感覚をもった。

全国農業新聞の記事は、そんな社長の話を裏付けるような社会情勢となってきたことであり、土地に流した汗の量だけ農業問題への確固たる信念が出来るのだろうと、今さらながら想い浮かべるばかり。

西条市では「食品コンビナート構想」などという地域戦略を打ち出しているようだが、そろそろその具体的内容が知りたいものだ。
農業生産の現場にいる者として、「農家の手取りがどれだけになったか」を見ない限りは「この構想絵に書いた餅じゃないの」と懐疑的にならざるをえないのですが・・・。

ことさらに現政策や産業情報支援センターの活動を非難するつもりはさらさら無いが、大本営発表のような一方的情報ばかりを強調しようとする姿勢が見えすぎると、こちらが仕入れている情報を流したくなってくる。
そんなことを考えながら水田の中を這っていた一色達夫の一日。


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