一色達夫の日記

2005年05月18日(水) 自治体職員の削減は地域自治崩壊の危険性No3

5月12日付け愛媛新聞の社説7行目
「財政難から、県内市町が職員数の削減に踏み切らざるを得なくなっているのだ。多くの問題があろうが、知恵と努力で軟着陸を目指してほしい。」とある。

この文面、一件まともな事を書いているように見えるが、支離滅裂である。

「財政難から職員の削減に踏み切る」とはどういう意味か理解に苦しむ。
そもそも、自治体の仕事は法によって定められているのであって、お金が無いといって「職員を削減して法によって定められた仕事を放棄してもよい」とでも言いたいのだろうか。
そして「知恵と努力で軟着陸を目指す」のは一体誰に対して言っているのだろうか。
5月5日の「自治体職員削減特集」には、「自治体首長どう対応」との副題があるから、この場合「知恵と努力で軟着陸を目指す」主体は自治体の首長だとしよう。
しかし、その「・・・どう対応」との各記事を読んで見ても、各自治体の対応には全然違いが無い事が理解できるだろう。すなわち「自治体職員の削減」問題に対しては法の定めによるマニュアル通りの対応しかしようがなく「知恵と努力の出しようがない」のが現状ではないのか。

百歩譲って、知恵と努力のしようがあるとしたら、それは、自治体経営への参画に対する崇高な理想に燃えた職員と、自らの地域の課題に対して自らが責任の一端を担うとの地域自治意識の高い住民との協力によって、自治のコストを削減する努力を行うことではないか。

社説の後段、前段の部分で振り上げた拳をすごすごと下ろしている文章が書かれている。「しかし、各市町が適正な職員数を見いだすのは、なかなか難しい。・・」

結局のところ、こんな原因を作った根本を暴き出すことなく、事象のみを捉えようとしたところに愛媛新聞の一連のこの問題にたいする記事の破綻原因を私は見いだすのだが。


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