西条市には市立の病院は無いことは市民の誰もが知っている事だろう。 民間経営の病院がしっかりしているから、地域の医療水準を保つために市立病院を建設する必要が無かったためだ。 お隣の周桑地域で一番大きい病院は公立周桑病院だが、この病院の経営は東予市・丹原町・小松町の1市2町で作る事務組合が行っている。 今、俎上に上がっている2市2町での合併が成った場合、この周桑病院の経営は新しい市が直接携わる事となる。しかし、西条市には今まで病院経営に携わった人材がいないから、この部分のノウハウは今まで携わった方たちが負う事となる。 自治体合併の効果として、行政のスリム化・効率化が大きなウエートを占めているが、合併によって今まで無かった仕事が増える事への準備ができているのだろうか。 昨年、2市2町の事務担当者によってまとめられた合併調査報告書に、道前福祉衛生事務組合やこの周桑病院についての記述が1行も無い。そのことを、資料作成に携わった担当者に立ち話的に指摘すると、病院は別法人を考えていますと言い、次に話した時は、病院は儲かっているそうですよと言った。 後日の議会担当委員会でこの調査報告書の事を取り上げ、短時間にまとめた資料のようで不備が目立つがどうかと指摘すると、いやいや「労作です」と言った。 私は、このあまりの厚顔さにあきれて二の句が接げなかった。 議員を言い負かすのがこの御仁の仕事なら、もうまともに相手にする必要は無いと思い、以後はそういうつもりで接する事とした。 前置きはこれで終了。 この周桑病院に友人が入院したので、見舞いがてら病院施設を見て回った。 丹原町の施設を見て回った時にも書いた事だが、議員の悲しい習性なのだろう。 何かにつけて視察の目になってしまう。 初めて入る施設だが、見た感じは綺麗。内部もこぢんまりとまとまって分かりやすい配置になっている。事務職員の対応も良かった。人間ドックも入れると17科。総合病院としての一応の診療科目は揃っているようだ。 MRやICU施設も整っているようだし、今からの病院機能の充実予定として、電子カルテの導入や、患者取り違え防止用のリストバンドの導入等の表示もしてあった。 地域の医療をになう公立病院の役割を果たすための努力をしていることが、ざっと見て回った表示部分だけからは感じることができた。 私は、今現在進められている市町村合併は、あまりに雑なやり方であり、行政の効率化や町作りを進めていくもっと良い方法は他にいくらでもあると考えている。 しかし、それに気づいて共に動いてくれる人が体勢を形成するに至らない場合は、今の合併の流れを止める事は出来ない。 運動を展開している最中に考えたくはないが、市立病院の経営についても審議しなけらばならなくなった時のため、今から準備をしておく必要を感じている。やれやれ、また勉強の項目が増えるのかあ・・・。 雨雲が通り過ぎ小降りとなった周桑病院の窓から、暗雲が立ちこめ遠く霞んでしか見えない西条を遠望しながら、正直億劫な気分になってしまった。 今日の「住民投票」要望署名を集める活動はまだら模様。成果は40名。
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