一色達夫の日記

2002年07月28日(日) 幾つになっても母は有り難い

昨日、農機具会社の展示会でもらってきた来場記念の「掛け時計」を、納屋の壁に吊そうと脚立を準備していると母が近づいて来た。
時計買うてきたのか。なんぼしたんぞ。
いいや、ただでもらってきたのよ。展示会に行って。
何か機械を買うんかね。
いいや見に行ってだけよ。お金も無いのに買えんよ。
などと言いながら脚立に登って時計を吊し、後ろを見ると母が脚立を押さえている。
もう腰が曲がって小さくなった母に、私が支えられる筈もないのに しっかと 脚立を握って私を見上げている。
母が昨年取り入れた豆類に、今年も虫が付きだした。この光景も、このところ例年の習わしとなってしまった。
出歩いてばかりいる自分だから、しっかりと保存しておく手伝いもして上げられないのだ。
縁側に座り見送ってくれる母の視線を背に感じながら、今日も軽トラに乗り込む。
納屋に吊した寒暖計の目盛りは33度。夏真っ盛り。


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