華のエレヂィ。〜elegy of various women 〜 | ||
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2002年10月24日(木) 東京美人物語。 〜高級ヘルス〜 |
残念ながら、人間の第一印象はやはり「外見」だと言えるだろう。 あまり最近の流行りのタイプではない俺。 コンパなどでも、俺が苦戦を避けられない要因でもある。 誰にでも、好みの外見というものがあろう。 それを否定する気は無い。 俺の好みの女性は、賢明な常連読者の方ならご存知だろう。 外見では背の高い細身の女性。 それで黒髪と白い肌が綺麗なら、なお好みだ。 そして瞳の綺麗な女性ならば間違いなく惚れる。 その人の瞳は、その人の人となりや性格が表れる。 無論、性格などでより深く気に入った女性なら、外見などは二の次になるが。 自分で高額な料金を払って利用する風俗嬢ならば、 やはり自分の好みに我がままに拘りたいもの。 実際に逢い、肌に触れ、愛撫し合い、 互いの最も敏感で繊細な部分を攻め合うのだから。 そういう嬢の情報は風俗情報誌で収集している。 グラビアや特集記事でその嬢の姿やプロフィールを見て、 さらに予算や予定と相談して、気に入れば店に問い合わせて予約を入れる。 見知らぬ店への冒険は、大穴の「期待」よりも「リスク」の方がはるかに大きい。 ありがたい事に、俺は今までそういうトラブルに遭った事が無い。 何の予定も無い平日の夜。 部屋で風俗情報誌を眺めていると、グラビアの一人の女性に眼が止まった。 長い足を体躯座りで折りたたみ、クールな微笑でグラビアに収まる女。 不健康そうで下手な仕立ての茶髪・金髪が当たり前の風俗嬢にしては、 珍しく髪も黒い。 逆に肌は抜けるように白く見える。 写真なのだから現代の技術でいくらでも修正できるのだろうが、 それでも一度お手合わせを願いたくなる。 そのグラビアは名古屋の大繁華街・栄の高級ヘルス『W』のものだった。 『 ボーナス特集!一度はお目に掛りたい美女大特集 』 彼女はその題字の下にいる。 扱い的にも、編集部一押しということだ。 彼女の源氏名はヤスコ。 24歳で東京出身。 身長168cm、公称Dカップ。 そして得意技は『立ち素股』という。 当時の俺にはよく分からない技だが、一度経験するのも悪くない。 俺は一度店のほうへ電話し、ヤスコの出勤と料金を確認した。 ヤスコの在籍する店は、料金は普通のヘルスよりやはり高めだった。 まあその差額分、いい女と楽しめれば良いのだ。 そしてオプションも充実している様子。 ボーナスも近いので、少々大きめの出費も出来そうだ。 電話を切った後、仕事のスケジュールと相談して『W』に行く日を決めた。 4日後。 俺は会社での仕事を終えると、そのまま自宅方向とは逆に車を走らせた。 しかし帰宅ラッシュに巻き込まれ、名古屋まで余計な時間が掛かる。 予約の時間には余裕があったので、あまり気にはしていなかったが。 「ご来店30分前時点で連絡が無いと、キャンセルとさせていただきます」 特に売れっ子になると、この条件は厳格なものになる。 少し早めだったが、1時間前に車内から店に電話しておいた。 「いいですよ、この電話で受け付け完了とさせていただきます」 店と契約しているから駐車料金を割り引きますよ!と受付で勧められた 立体駐車場に車を入れて、俺は夜の栄へと歩き出した。 平日の夜、栄は昼のビジネス街の顔とは全く逆の顔を見せる。 中部地区最大の歓楽街と化した栄。 電光の看板やネオンが街灯並に通りを照らし、通行客を誘惑する。 大通りより一本奥に入ればスナックやパブ、居酒屋や風俗店の看板が増え、 また呼び込みの連中も様々な誘惑を掛けてくる。 今夜の俺には目的地がある。 誘惑を全て振り切り、俺は目的の店があるビルへと急いだ。 店からの案内通りに歩いていると、俺は中古のビルに辿り着いた。 そのビルの1階は駐車場兼用のスペースで鉄骨の階段しかない。 俺はその階段を上がって、店に入ろうとした。 「いらっしゃいませ!お一人様ですか?うちは激安ですよっ!」 階段を上がりきる頃、横から元気のよい呼び込みの声。 『W』の呼び込みかと思い足を向けようとした時に気付いた。 よく見ると隣りの別の風俗店の呼び込みだった。 そのビルには他に3軒のヘルスが入っている。 危うく入る店を間違えるところだった。 全く油断も隙も無い。 俺は『W』と書かれた看板の下の、重たそうなドアを開ける。 その内装は木目の落ち着いた壁に絵画が数点と深紅のカーテンが何枚も掛る、 いかにもゴージャズな雰囲気の店だった。 白熱灯の間接照明にバー風のカウンターがあり、その奥の壁には酒瓶が置いてある。 一応有名どころの洋酒が並ぶが、どうも開けられた形跡が無い。 見たところ、飾りのようだ。 またもう一方の壁側での喫茶店の店内のようなテーブル席では、 一人ずつレースのカーテンで区切れるよう、天井にレールが付いている。 受付で予約したヤスコの名前と俺自身の名前を名乗り、料金を払った。 「60分コースで・・・合わせて2万円になります」 俺は他の客が誰一人いない店内の、テーブル席の方へと座る。 店員が飲み物の注文を聞きにやってくる。 ジュース、コーラ、烏龍茶、ビール、水割り・・・とメニューにある。 車で来ていた俺は無難な烏龍茶を注文した。 数分後、紙コップに入った烏龍茶を差し出す。 衛生対策なのか、こういう所には金を掛けていない。 内装と紙コップにチグハグな印象を受ける。 俺は店員に聞いた。 「このカーテンは何のためにあるの?」 「こちらは、芸能人や有名な方が来られた時に使います」 ここは名古屋へ仕事に来る有名人や芸能人がお忍びで遊びに来る店だそうだ。 当然、誰が来たとは教えてくれないが。 カウンターの奥のテレビは、賑やかなバラエティー番組を垂れ流す。 誰も見る者は居ない。 予約を入れてきたのに、俺は20分以上待たされた。 予定時刻を相当オーバーしている。 こういう業界は時間の観念もいい加減なのだろう。 俺はかなり苛立っていた。 「お待たせしました、ヤスコちゃんご指名のお客様!」 いよいよ順番が廻ってきた。 あまりの遅さに苛立っていた俺だが、一息ついて落ち着こうとする。 「それではこちらのカーテンの前にお立ち下さい」 俺は店員に促されるまま、俺は分厚い深紅のカーテンの前に立った。 <以下次号> |
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