華のエレヂィ。〜elegy of various women 〜
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2002年10月23日(水)

籠の中の貞淑な小鳥。 〜北風〜
<前号より続く>



敏子の身体は確かに年齢相応だった。
肌にはシミも弛みもある。乳房も尻も垂れ気味だ。

でも敏子は充分「女」だった。

乳房を掌で揉み、乳首を摘むと背筋を反らせて感じる。
耳に吐息を吹き入れて囁くと、俺にきつくしがみ付いて耐える。

最後に一枚を降ろそうとすると大きく首を振り、明るいから嫌だと言った。
俺は先に自分から脱ぎ、固く勃った俺自身に手を添えさせた。


「俺、こんなになってるよ・・・敏子はどうなの?」
 「・・・こんな固いの、若い人って」


俺はそっと敏子の下着に指を入れる。
熱く熱く潤っている。
指先の動きに合わせて、敏子は腰を動かす。


「嬉しいよ、こんなに感じてくれて・・・」
 「お願い・・・恥ずかしいから、ここまでで我慢して・・・」


俺は敏子の懇願を認めなかった。
下着の脇から指を入れ、熱く潤うと敏子自身を弄る。
粘着音が俺の耳に届く。
その度に、敏子は声を震わせている。


「俺の欲しくないんだ・・・」
 「・・・違うの」


敏子の最後の一枚を降ろし、俺はスキンをつけて正常位で挿入した。

背を反らし、俺の身体や布団の端を掴んで迫り来る快楽に耐える。


「このまま最後まででいい?」
 「・・・後ろから・・・して欲しいな」


あれだけ恥ずかしがっていた敏子も、自ら望んでいた。

バックになり、俺は改めて敏子に挿入する。
筋肉の付いた大きな尻は、立派な弾力だ。
付く度に、上半身の力が抜け、腕で体重を支えられなくなっている。

背筋を反らせて胸から上は布団にべったりつけ、腰だけを突き上げる形になった。

俺は崩れ落ちようとする敏子の腰を腕力で引き起こし、突く。
俺の動きを受け止めてくれる彼女は、徐々に淫らになっていった。


喘ぎ声のいい女は、本当に興奮が倍増する。
布団の端を掴み、顔を左右に振って快感に身を任せる。


そしてもう一度正常位になって、敏子を抱く。


涼しいはずなのに、俺の全身から汗が垂れる。
その汗は、敏子の身体に垂れる。

敏子の膣の内壁に、俺自身が擦れる。
その度に背筋を仰け反らせて、艶やかな声を張り上げる。

俺は律動を深めた。
敏子の反応は俺の動きに合わせて深くなった。



・・・・・・


俺と敏子は、しばらく入れたまま抱き合っていた。


 「こんなに乱れたの、初めてかも知れない・・・」
「本当に?嬉しいよ」

 「だから嫌だったの・・・淫らな女だと思われたくなかったから・・・」
「男にとっては嬉しいんだよ、そういうのが」


時折、官能小説や映画のベッドシーンを見て、
自分でも恥ずかしいほど熱く濡れてしまうことがあったという。

旦那との関係も当然ご無沙汰で、
自分でもこのまま歳をとっていくことが寂しかった。


私は女としてこの世に生まれて・・・本当に良かったのだろうか、と。


 「自分でも思うの。私って本当は淫らなんだって・・・」
「でも悪い事じゃないでしょ?」

 「でも、男の人は嫌でしょ?淫らな女は・・・」
「そんなこと無いよ、嬉しいと思う」


女性としての当然の欲求と、古臭い認識との矛盾に苦しんでいた敏子。
少し気が楽になったのか、俺に甘える仕草も見せてくれた。


敏子から抜き取った俺自身のスキンには、白い精子が溜まっていた。
それを見た時の敏子の照れ笑いが、今でも記憶に残る。



俺は着替えを済ませた敏子を駅まで送っていく。

夕方、街路樹の銀杏の枯葉が歩道を埋めるほどに散らばっている。
乱暴な北風に煽られて、はらはらと舞い上がる。



 「平良クン、今日は本当にありがとう・・・」
「いいや、俺こそ!楽しい時間だったよ」

 「早くいい彼女見つけてね。応援するから」
「ありがとう・・・でももう会えなくなるよ(笑)」

 「いいよ、オバサン相手よりも可愛い彼女見つけてね」
「何だかなぁ・・・ムード無いなぁ(笑)」

 「オバサンさ、平良クンの事・・・本気で好きになっちゃうから、さ(笑)」
「そうなったら、どうする?」


俺の瞳を見つめて、敏子は言った。


 「・・・逃げちゃう(笑)」








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敏子は改札口の奥で俺に振り向いて一礼し、消えていった。


籠を出て、外の世界へと羽ばたいてみた貞淑な小鳥は、
こうして再び籠の中へと帰っていった。


この前の新名古屋駅の時と同じだ。

前回と違うのは、この後敏子とは再び会う事は無かったこと。


敏子は俺と会った日の夜にテレコミを辞めたそうだ。
そして俺の元にも、何の音沙汰も無くなった。



まだこんな別れ方に慣れていない頃。
俺は今まで経験した事がない程の切なさに襲われた。

もう一度敏子を抱きたい、いや声だけでいいから聞きたい・・・

冷凍庫に残されたミートソースを解凍して食べた時、
その味の深みが彼女の存在の大きさと相まって、胸がいっぱいになった。

男が女に惚れるのは、何も外見や若さだけではないのだ。



乾いた北風と共に去って行った敏子は、どういう気持ちだったのだろう。

枯葉が風に舞う季節になると、敏子のあの一言が思い出される。

本気になったら・・・「逃げちゃう」


彼女なりの許されぬ恋の解決方法だったのか。
それとも全くの別件で何かトラブルがあったのか。


俺もあの別れの時に言い返せばよかったかな、と思う。


「逃げる前に、もう一度くらい俺のところにおいでよ」と。
例え再会する事が無かったとしても・・・




 ☆ 毎度のご訪問&ご高覧、本当にありがとうございます。
   前作は18歳の話、今回は40代の大人の女性の話。

   どういう感想を持たれたか、聞くのが恐いくらいですが・・・

   敏子は今思えば、充分魅力のある熟女でした。
 
   もし今の年齢で敏子に出会っていれば、
   もっと違った形で付き合えたのかな・・・なんて遠い記憶に思いを馳せています。


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   次回の『華のエレヂィ。』もどうぞお楽しみに。


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