華のエレヂィ。〜elegy of various women 〜
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2002年09月09日(月)

仰げば尊し。 『第一印象』



誰にでも、外見での「好みのタイプ」というのがある。


女性なら身長、髪型、顔、体型・・・と相手の男性に求めるものがあろう。
それが恋愛感情や相手への意識に左右されない程度のものであっても。
当然、男も女性に対して好みがある。


『第一印象』という言葉がある。
それによってその人の人間性までもが大きく左右されてしまう、大変恐ろしいものだ。

それは恋愛感情でも、営業の商談などの仕事でも。
人と人との出逢いにとって、第一印象とは最も配慮すべき事柄である。



第一印象・・・すなわち、ぱっと見の『外見』。

人間の内面など、一見で分かるはずも無い。
全ては表向きの外見から始まるのだ。


風俗遊びの醍醐味の一つは、自分の求める外見上での理想のタイプの女性を選んで、
男の欲望を果たせることにある。





コンビニに置いてあった真新しい風俗情報誌を一冊所望した。
外面は写真週刊誌のような女性のグラビアで、中身に風俗情報が載っている。

家に帰って眺めてみる。
満面の笑みを浮かべて悩ましい肢体を見せる風俗嬢の姿があった。


「特集・ナイスバディなお姉さんに癒されたい!」
俺の目に留まったのは、安っぽいタイトルとそれに違わぬ内容の特集記事だった。


名古屋市郊外の街のファッションへルスに在籍するその嬢『ノリカ(仮名)』は、
長身で元モデルというプロフィールが掲載されていた。

『 22歳 身長171cm B 89(D) W 60 H 88  性感帯・・・うちもも 』


長身で細身の女性が好みな俺は、華奢に見える写真の彼女に興味を持った。

早速店に電話してみた。


 「ハイ、○○○です」
「あ、雑誌を見たものけど・・・」

 「ありがとうございます、ご予約ですか?」
「ええ、そちらのノリカって娘は今度いつ出勤ですか?」

 「ええ、只今お休みを戴いておりまして・・・次回は日曜日になります」
「そうですか。どうも」



日曜日。
再び店に電話を入れてみる。


 「ハイ、○○○です」
「ええっと、今日はノリカさんは出勤ですか?」

 「ハイ、出勤してます」
「じゃ、予約をしたいんですが」

 「じゃ少々お待ち下さいよ」


しばらく待ち受けのオルゴールが鳴る。
焦れながら待っていると、先程の少々横柄な態度の受付が出た。

 「大丈夫ですが、大変人気の娘でー・・・夜11時からしか空いてません」


午後11時・・・
そして次の月曜日は仕事だ。

その店は名古屋の郊外にあるため、少々不便だ。
しかし男の欲望というものは、一旦火がつくと止まらない。
 

「・・・その時間でいいです」
 「分かりました、11時からで予約お取りしてますから」

「ああ、はい」
 「お時間30分前には必ず一度お電話ください。そしてあと予約時間には
  必ず着くようにお越しください!でないとキャンセルになります」


名前を聞かれたので、偽名を答えた。
言い方にトゲがあり、この受付はどうも気に入らない。

予約は取れたが、今はまだ昼間。
夜まで、悶々とした禁欲の時間を過ごした。




午後9時ごろに家を出て、国道を北上してその街へ向かう。
考えているよりも時間が掛かり、遠い。


そして夜10時25分頃に店へ電話を入れる。
電話をしないとキャンセルになる。


そして10時35分頃にその店近辺に到着した。
しかしその風俗店が地図に載っているはずもなく、迷子になる。

予約時間までに店に入らないと、これまた即刻キャンセルになるという。


雑誌に紹介されている彼女は、キャンセルがあっても次にすぐ埋まる。
強気な態度の店側に、俺も不服ながらも従わざるを得ない。

途中、店の所在を携帯電話で問い合わせ、予約の5分前にようやく到着した。


受付で先程の偽名を名乗り、待合室へ通される。
そこで時間コースを決めるのだが、新風営法との兼ね合いだろう。
夜11時以降のチェックインは、60分以上は出来ない、と言われた。
さすが優良店を謳うだけある。


「では60分で」
 「ありがとうございます、では1万8千円頂戴いたします」


たった1時間でこの高額料金だ。

折角の機会に大金をはたいて、『地雷』と呼ばれる低レベルな嬢や相性の悪い嬢に
遭遇してしまい荒れる客がいるのも、どこか頷ける。


待ち合わせ室のソファに座り、雑誌を読みつつ順番を待つ。
しかし11時を過ぎても一向に俺の順番が来ない。

10分、15分・・・時間が過ぎる。
あれだけ客に「時間に遅れるな」と言っておきながら、無断の遅延だ。


俺は店員にどういうことか尋ねた。
金髪の店員は訝しげに、横柄な口調で待つように言うだけだった。


俺は機嫌悪く、ただ待つ。
20分を過ぎた頃だ。


 「お待たせしました!ノリカちゃんご指名のお客様!」


顔を上げると、カーテンの向こうに行けと指示される。
俺はそのカーテンの中に足を踏み入れる。


 「お待たせしました、ノリカです」


見上げると、そこには雑誌で見たノリカがそびえ立っていた。


プロフィール通りの長身に加え、当時流行の厚底サンダル。
身長175cmの俺が見上げるほど高い。


 「では案内しますね」

店内の急な階段を上がり、部屋へ通される。
飲み物を貰い、飲みながら雑談。


「身長高いねぇ」
 「そうでしょう。嫌なの。男の人を見下ろすのはいい気持ちだけど」

「実際は(公称より)もっと高いんじゃない?」
 「本当は174cm。でもデカイ女は可愛くないし、あまり低く言ってもバレちゃうし」


公称よりも3cm高かった。
そして10cm以上の厚底サンダル。
ゆうに185cm近い長身から見下ろされていたことになる。


ノリカは長身だが、乳房以外の身体つきは随分華奢だ。
そして何よりも足が長い。
尻も上を向くほど上がっている。

元モデルだ、と言われてもあながち嘘とは思えない。


 「じゃ、シャワー行こうか?」

俺はノリカに促されて、服を脱いでシャワー室に入る。


「それじゃ、失礼します」
 「うふふっ、どうぞ」

いつもの口癖に、ノリカは何か意味ありげな含み笑いを残した。




<以下次号>








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