華のエレヂィ。〜elegy of various women 〜 | ||
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2002年06月28日(金) 一生に一度の夜。 〜酒と涙〜 |
<前号より続く> あの電話から、2週間ほど経った。 美紀子がうちに来る日になった。 JR名古屋駅へ迎えに行く。 すでに新幹線下りホームのベンチで待つ美紀子。 両手に余るほどの荷物を持っていた。 自分のバッグ二つ。 部屋で俺と一緒に飲むためにと取り寄せた、山梨葡萄のロゼワイン。 小型のラジカセ。 「平良んち、ラジカセ無いって言ってたでしょ?」 俺は当時ウォークマンしか持っていなかった。 美紀子は音楽が欲しいと、自分のラジカセまで持ってきたのだ。 俺と美紀子はそのまま地下鉄で俺の住む街まで移動し、部屋に招き入れた。 ほぼ徹夜で掃除した部屋。やましい物も全て押し入れの中だ。 「あ〜〜っ、疲れた〜」 美紀子は部屋に着くなり荷物を置き、六畳一間の部屋で横になった。 両手を塞いでいた重い荷物が相当堪えたらしい。 名古屋からは俺も一緒だが、それまでは自分一人で持ってきたのだから、 それも仕方あるまい。 「ゴメンねぇ、ちょっと休ませて・・・」 俺は慣れない手つきでお茶を入れ、美紀子に差し出す。 「晩飯はどうしようか?」 「ご飯食べたら、お酒美味しくなくなっちゃうよ」 少し休んだ後、2人で近所のスーパーでつまみの買出しに行く。 買い込んだつまみを広げ、ワインをグラスに注ぎ、再会の乾杯。 透き通ったものが好き、という美紀子は お気に入りのロゼワインを美味しそうに飲み干す。 「美味しいっ」 俺は自分のカセットテープを美紀子のラジカセで掛けた。 尾崎亜美の『ラピス・ラズリ』だ。 今から15年程前に出た、尾崎亜美のバラード集。 高校生の頃にバラードが好きだった俺の一番のお気に入りだったアルバム。 美紀子は音楽に酔い、酒が進むに連れていろいろな話をしてくる。 昔からアメリカに憧れていた彼女。 18歳の頃、大陸横断バスで一人旅した事。 将来は絶対にアメリカに移住したい、という話。 先日別れた恋人との、失恋の痛手の事。 「私ね、糸ちゃんにはこんな話しないんだよ」などと言いつつ。 気が付くと、美紀子は泣いていた。 話すうちに溢れてきた感情を抑えきれなかったのだろう。 俺は美紀子を抱きしめる。 美紀子は俺に抱きつく。 「ごめんなさい・・・・」 肩口で、必死に涙を抑えようとするが、まだ収まらない。 「大丈夫。今日からは俺が居るから」 美紀子は無言で二度三度と頷く。 俺は美紀子の左頬に口付けた。 そのまま俺は涙に暮れる美紀子が泣き止むまで抱きしめていた。 楽しい飲み会、とはちょっと言いがたい雰囲気だったが、時間も遅くなった。 「平良、お風呂貸してね」 泣き止んだ美紀子はシャワーを浴びている。 俺は布団の準備。 シングルなので、二人で寝るにはあまりに狭い。 密着できる利点はあるだろうが。 「平良ぁ、一緒に入ろうよ」 風呂から、美紀子が大胆な事を言ってくる。 「いいよ、後で入るから」 自分の欲望を最大限の理性で抑え、とりあえず無難な返事をする。 クスクス笑いつつ、意気地無しぃ、とからかう。 奔放な女だ。 夜12時半を過ぎた頃。 俺は部屋の明かりを落とした。 初めて、女性と過ごす夜。 隣りには美紀子がいる。 眠れるわけが無い。 目が冴え、欲望がそそり立つ。 しかし隣りでパジャマ姿の美紀子は旅に疲れているようで、 すでにスヤスヤ寝息を立てている。 改めて見ると、美紀子の寝顔は本当に可愛い。 女の寝顔はこんなに可愛いんだ、と感心した。 俺は気持ちを抑え切れず、彼女の頬にkissした。 寝込みを襲うのは良くないと思っていたが、もうどうにも我慢できない。 俺はパジャマの上から、美紀子の乳房にそっと触れた。 柔らかい。 温かい。 とても触り心地の良い乳房。 下着を着けていないので、胸のどの位置か、全て指先の感覚で分かる。 美紀子の乳首を見つける。 指先で上から軽く何度か引っかいてみる。 下からムクッと盛り上がるのが分かった。 急に美紀子が寝返る。 気づかれたか。 しかし、そのまま寝息を立てる。 俺は次に美紀子の立ちかけた乳首を軽くつまんだ。 美紀子が声を上げた。 あの夜、受話器から聞いた、あの喘ぎ声だ。 <以下次号> |
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