華のエレヂィ。〜elegy of various women 〜 | ||
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2002年05月23日(木) 看板娘の戸惑い。 その3 |
<前号より続く> 意外な言葉がナナコから告白された。 「嘘?」 「そう・・・」 本人には一切の打診無く、全部店の社長と記者が作りあげた、嘘だった。 店を助けてくれ、とコンパニオン時代の知り合いだった社長に頼まれたナナコは、 最初ほんの数日のヘルプだと言われて入店した。 看板娘が欲しい店側は、美人で人柄の良いナナコを売り出そうと企み、 ヘルプのナナコを新人としてその雑誌に売り込んだ。 そこで読者体験記と称して彼女の提灯記事を捏造したのだ。 ナナコがその中身を知ったのは、雑誌が発売された後だった。 「私ね、お口のやり方も何にも分からないの」 「・・・そうか」 ナナコはフェラチオの仕方を知らないという。 そして性欲の捌け口のように扱って来る野蛮な客には出来ない、といった。 「でもお客さんは、高いお金を払って、私を呼んでくれるでしょ?」 「・・・うん」 「すごく申し訳なくて・・・」 消え入りそうな小声で呟くように話すナナコ。 「だから・・・ゴム、ある?」 「・・・あるけど」 「・・・私ね・・・何も出来ないから、Hでもいいよ・・・」 ここまで話したナナコは俺から顔を背けた。 「ナナちゃん・・・」 「お店には内緒にしてね・・・だって、あんなの出来ないもん」 「分かるけど・・・」 「男の人はみんなHしたいんでしょ? 私、ゴムさえしてくれれば・・・いいよ」 ナナコは戸惑う俺に、お金なら要らないから、といって苦笑した。 中には追加料金と称した金を出させてから改めて客と交わる、 デートクラブや管理売春まがいのずる賢い娘や店が数多く存在する。 人の良いナナコは出来もしないテクニックを店に勝手に売り物にされた、 その責任を独りで抱え込み、その綺麗な身体一つで償っていたのだ。 悪いのは過剰宣伝するその店であって、ナナコ本人ではない。 しかし客が何かと文句を垂れ困らされるのは、直接接客するデリヘル嬢だ。 俺はいきなりの申し出に戸惑いつつも、ナナコを攻め始めた。 ナナコの肉付きの薄い唇に舌を割リ入り、深いkissをした。 少しずつ、俺の舌の動きに合わせてくれるナナコ。 無意識か、ナナコの掌が俺の肩を力無く押し返そうとする。 白く透き通るナナコの肌は繊細で敏感だ。 舌で乳房を、背中をなぞるだけで恥ずかしそうに小声で喘ぐ。 決して悪くない感度。 いとおしいほどの可愛い声を挙げる。 俺は指をナナコ自身に伸ばした。 「・・・・痛っ」 ナナコが苦痛に顔をゆがめた。 「大丈夫?」 「うん・・・さっきのお客さん、すごく乱暴だったの・・・」 繊細で敏感なのは、ナナコの粘膜も同じだった。 「ね、時間ないよ・・・もう入れてもいいよ」 ナナコはあくまで俺の残り時間を気遣って、傷つく身体に鞭を打つ。 「だって、こんな痛がってるじゃん・・・そんな気になれないよ」 ナナコの粘膜はほとんど潤っていない。何ゆえ痛むのだから、仕方ない。 「いいよ、無理でしょ・・・」 痛がるナナコ自身の中には、指一本すら入らない。 「構わないよ、入れて・・・」 「手で、俺のを」 こんな状態では俺も気が引ける。俺はこの娘をレイプするのではない。 どんな相手でも恋人やSex friendと同じように、一緒に楽しみたいのだ。 俺は「客だから・・・」なんていう立場は嫌いだ。 はした金を払ったくらいで娘を見下したような態度で接する男は大嫌いだ。 俺はあお向けになり、ナナコに俺自身を握らせ、上下に動かすように言う。 ぎこちない動きでナナコは俺自身を上下にしごく。 ナナコは起き上がり、俺自身の亀頭に薄く柔らかい唇で軽く口付けしてくれた。 「出るよ・・・!!動いて、早く!」 ナナコは顔を離し、強くしごく。 俺はナナコの目の前で、果てた。 幾分か驚いた様子のナナコ。 初めてだろう、目の前で射精した瞬間を見たのは。 「・・・みんな、お口でするんでしょ?すごいね」 「でも、口付け出来たじゃん」 「だって・・・平良さん、いい人だもの」 「ありがとう」 時間を知らせるベルが鳴る。 俺とナナコの時間が終った。 ナナコは「完全な責任」を果たせなかった事を申し訳なさそうに、帰っていった。 本音を言えば俺だって物足りないが、強引に犯してしまうより、 この方がよかったに違いない。 次に笑って会うためにも。 俺は、ナナコにどこか惹かれていた。 <以下次号> |
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