華のエレヂィ。〜elegy of various women 〜 | ||
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2002年05月22日(水) 看板娘の戸惑い。 その2 |
<前号より続く> 「・・・お風呂の電気、消してもらって良いですか?」 風呂に入る際、ナナコは俺に恥ずかしそうに頼んできた。 「あぁ・・・いいよ」 ここでダメ、と言ってしまえば雰囲気も壊れる。 じっくりとナナコの身体を眺めたかった俺だが、自分の欲望を押し殺す。 ナナコは風呂場の電気を消しても、脱衣場の明かりは点けていても良いという。 真っ暗だと困るから、だと。 俺はそのとおりにして、風呂の中でなかなか入ってこないナナコを待った。 引き戸がゆっくりと開き、全裸のナナコが現れた。 薄暗い中風呂場の中で、まるで彼女が発光しているかのような、白く柔らかい肌。 小ぶりな乳房、幅の広い骨盤にうっすらと脂肪のついた尻。 形の良いヘア。 乳房を両手で強く押さえ、恥ずかしさを押し殺しながらの登場だった 今時、擦れた業界にこんな純粋な娘がいるんだ・・・と思った。 ナナコは俺と目を合わせない。 「お湯に入って、良いですか?」 「どうぞ、遠慮せず・・・!」 温めの湯がナナコの緊張をほんの少し緩めた。 そして俺とナナコの距離をぐっと縮める。 俺は雑誌の話題をふってみた。 「あの雑誌で取り上げられて、忙しくなったでしょ?」 「ええ・・・でも私、夕方に出て10時までには帰るんで1日2人くらいですよ」 「門限?」 「寮に住んでるんです・・・」 あまり自分の実生活をこういうところの客に話すのは如何かと思うのだが、 ナナコは徐々に俺に話してくれた。 ナナコは元コンパニオン。誘われてデリヘルへ働くようになった。 そして昼は「絶対に言えない」仕事をしているそうだ。 昼夜のフル回転。 堕落したサラリーマンの俺は感心した。 俺は風呂場で身体を洗ってもらいながら、いろいろな話をした。 「あの雑誌の記事、すごいテクノ持ち主だって描いてあったねぇ」 「あんなの、嘘ですよぉ(微笑む)」 「あんな描き方されちゃ、みんな求めてきて大変だろうな」 「だから私、嫌だったんですよぉ(苦笑い)」 「実家にはばれない?」 「私、静岡だから大丈夫だと思う。でも会社の人に付いた事ありますよ」 「大丈夫だった?」 「初め分からなくて。でも後日会社でばったり!(笑)」 「相手にばれちゃった?」 「私が気付いたかな。向こうは知らない顔してたけど・・・」 暗い風呂場で和やかな時間が過ぎていく。 表情が豊かで、自分の言葉で話が出来て、礼儀正しい。 今時、普通の若者でもいないほどの上出来な娘だ。 風呂も上がり、いよいよ布団に入る。 俺は部屋の明かりを落とし、ナナコを腕枕しして、先の濡れた髪を撫でる。 ナナコの広めのおでこに、柔らかい頬に軽くkissをした。 「あのね・・・」 仰向けになり、目を閉じるナナコが改まって話を切り出した。 「どうした?」 「あの雑誌の記事、読んだでしょ?」 「うん」 「・・・期待してる?」 あの記事の内容が気に入らないのだろうか?何か言い辛そうな雰囲気だ。 「いいよ、俺なら大丈夫だから、何でも話して」 「あの記事ね・・・あれ、全部、嘘なの」 <以下次号> |
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