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2002年05月21日(火)

看板娘の戸惑い。 その1


俺がよく情報収集に利用するのは、風俗情報誌だ。
全国的に発行されている有名な隔週刊誌を買っては眺めている。

目を引くのはグラビアに登場する店の一押し娘。
まるでアイドルのようにポーズを決めて写真に収まる。

『フードル』なんて造語も作られ、男の欲望をさらに煽り立ててくれる。
下手なグラビアアイドルよりも、露出度が高い。
考えてみれば、店に行けばその娘のサービスが受けられるのだ。


そして俺は文字でのレポートもしっかりと読ませてもらっている。

こいつ、文章下手だなぁ。
俺のほうが絶対面白いレポートが書けるぜ。
・・・などとほくそ笑みながら。




俺がよく利用するデリヘルが、その週の雑誌の読者体験レポートに登場した。

『ついに遭遇!噂の新人ナナコちゃん(23)の完璧なテクに完敗!』

派手な大文字のタイトルが誌面に躍る。


素人でモデル級の美人・ナナコの完璧なフェラテクで体験者がいとも簡単に
イッてしまう・・・そんな内容の拙い画風の漫画だったが、
情報としてこれほどありがたい内容は無い。


そこに登場するナナコ(仮名)とは、俺はまだ一度も逢っていなかった。



「先日入った新しい娘でねー、いま売り出しちゅうなんですよー!」
その店に問い合わせると、威勢の良い言葉で煽ってくる。

誌面では簡単なイラストでしか登場しないが、
そのデータでは23歳、身長165、3サイズが83・57・85とスレンダー体型。


長身でスレンダー、俺の好みである。
早速予約し、いつにない胸の高鳴りを感じていた。


先約があるので、その後だったら行けますよ、とのことなので予約を入れた。

ほぼ2時間後。

ドアのチャイムが鳴り、扉が開いた。


 「こんばんはぁ、ナナコです」

そこに立っているのは、素人の描いた拙い絵とは全く違う、
輝かしいばかりの美人だ。


小さい顔。澄んだ瞳。長い黒茶の髪。薄い化粧。
どこへ出しても構わないほどの上玉だ。
俺は客なのだが、いつに無い緊張感に襲われる。


「どうぞ、入ってください」

1DKの、俺の小さい部屋。
俺はデリヘル嬢を呼ぶとき、念入りに掃除をする。
あまり綺麗に片付けるのは苦手だが、やはり人を迎え入れる準備はしておきたい。


 「男の人の部屋、ですねぇ・・・」

何を見てそんなことを言ったのか未だに分からないのだが、
感慨深げにそんな言葉を口にした。

ホテルへの出張がほとんどだったナナコは、初めて自宅に来たという。



<以下次号>







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備考・・・20020921   加筆修正


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