2017年09月09日(土)  【聴き逃し対応】9/30(土)FMシアター「さくら、ねこ、でんしゃ」

FMシアター「さくら、ねこ、でんしゃ」の収録が和やかに終わりました。

高齢化社会の生き方をテーマにした小説を公募しているNHK銀の雫文学賞受賞作品をオーディオドラマ化。

出演は、

大林隆介 
末次美沙緒 
はざまみゆき
佐藤誓 
伊原農 
照井健仁 
枝元萌

の皆さん。

副調室からガラス越しに見えるスタジオがいつも以上におしゃべりと笑い声に湧いていて、実に楽しそうな収録現場でした。定年退職後の老後の過ごし方と認知症を扱った、決して軽いお話ではないのですが、重いテーマを軽やかに受け止めようとする話ではあります。時間に穴が空いて、記憶に穴が空いて、靴下にも穴が空く、そんな色んな穴が空くお話。

記憶といえば、今井雅子の脚本家デビューのきっかけになった最初のコンクール受賞作「雪だるまの詩」。あちらは胃に穴が空いて、記憶にも穴が空くお話でした。

空いた穴に、本人は、家族はどう向き合うか、身につまされる方も多いかもしれません。リハーサルのときには出演者の皆さんと、自身や身近な老いについて話す時間もあり、それぞれが物語の世界と自分の重なるところを見出して役を深めてくださったのではと思います。

作者の「のらいしれんふう」さんの姓と名の切れ目はどこだろうという話題も出ました。「のらいし れんふう」なのか「のらい しれんふう」なのか、はたまた「のら いしれんふう」なのか。のらいしは「野良医師」と書くのかも、病院や病気の描写は実体験を踏まえたものなのかもしれない、という想像も膨らみました。銀の雫文芸賞のページを見ると、「のらいし れんふう」と区切るようです。

出演者のみなさんが芸達者すぎて、80分巻きで収録が終了。音楽(森悠也さん)と効果音(伊東珠里さん)がついて、お届けできるのが楽しみです。

FMシアター「さくら、ねこ、でんしゃ」
9月30日(土)22:00 〜22:50(全1回) NHK FMにて。

今回もたくさんの人に聴いて欲しいのですが、毎回あるあるなのが「聴き逃しちゃった。再放送ないの?」。決まった時間にラジオをつける習慣のない方が多く、録音できるラジオをお持ちの方も少なく、ラジオもオンデマンドがあればいいのに……と願っていたら、最近始まったのが「聴きのがし対応」放送後、約一週間(今回は10月2日正午〜9日正午まで)配信で聴けるという画期的な試みで、今井雅子作品では「さくら、ねこ、でんしゃ」が初となります。

これで「聴き逃しちゃった」と言い辛くなりますね〜ふふふ。と、顔合わせのときに一同でほくそ笑み合いました。「ききのがしたいおう」で変換すると「聴き逃したい王」と出たのですが、聴き逃し常連の王様もぜひ聴いてください。

以前、脚本家仲間と「年に一度ラジオドラマを作れたら幸せだねえ」という話をしたのですが、2012年のFMシアター「金魚鉢の教室」以来、その願いが叶い続けています。とくに今年は「きみを待つピアノ」「きりしたん算用記」「さくら、ねこ、でんしゃ」と三度のご縁があり、うれしい限り。
小見山佳典さん演出の青春アドベンチャー「走れ歌鉄!」、小林直毅さん演出の宮崎放送局発FMシアター「きみを待つピアノ」以外は、藤井靖さん演出。銀の雫文芸賞作品は「マー子さん」以来、二度目です。

FMシアター
「金魚鉢の教室」(2012)
「マー子さん」(2013)
「父の代理人」(2014)
「静かな生活」(2015)
「きみを待つピアノ」(2017)
「さくら、ねこ、でんしゃ」(2017)

青春アドベンチャー
「びりっかすの神さま」全5回(2014)
「走れ歌鉄!」全10回(2016)
「きりしたん算用記」全5回(2017)

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