先日のこと。
たまが半年ほど前に描いた「うぃんなーのおうさま」の絵が、部屋に転がっていた。
生まれる前にわたしのおなかの中で一緒にいたという神様のことを、たまが初めて語ったのは、【たま語】記録によると、2011年9月26日、5歳1か月のことだった。
【たま語】「たまちゃん、おなかのなかで、かみさまにあったの。かみさまに、いいこいいこってあたまなでてもらったから、いいこにそだったの」。ほう、そうだったの?「だからね、ママのおなかには、ふたりいたんだよ」。神様のご利益はかなり薄れつつある今日この頃…。
その翌日の9月27日、神様のことを、もう少し詳しく聞いてみた。
【たま語】ママのおなかの中で頭をなでてくれた神様ってどんな人だったの?「ウィンナーのことをウィダーっていうの」。二人でおなかの冷蔵庫開けてウィンナー食べてたの?「ウィダーおいしいだあっていってた」。鼻詰まりの神様…。
このときから、たまとわたしで、おなかの中にいた神様のことを「うぃんなーのかみさま」と呼ぶようになった。いつの間に「かみさま」が「おうさま」になったのか、次に【たま語】記録に登場する2012年4月25日、5歳8か月のときには、「うぃんなーのおうさま」と呼んでいた。
【たま語】お腹の中で一緒に過ごした、ウィンナーの形をしたウィンナー好きで鼻の詰まった王様の話を時々してくれる。「うぃんなーのおうさまがしんだひに、たまちゃんがうまれたの」王様の正体は、もしや臍の緒?
ウィンナーが好物だから、うぃんなーのおうさまだと思っていたら。
王様の正体は、臍の緒だったのか。
たしかに、臍の緒って、腸詰めっぽいし。
冷蔵庫の食べ物を分け合っていたというのも、暗喩なのかもしれない。
おなかの中に冷蔵庫があった話は、神様の話よりも3か月ほど遡り、2011年6月23日、4歳10か月のときにしている。
【たま語】自分のおへそを指差し「こっから、ひもでママとつながってたんだよね」。そうよ。ママのへその緒は太くて丈夫だったからたくさんおいしいもの送り込めたでしょ?ちゃんと食べた?と聞くと「たべきれなかったから、ときどきれいぞうこにしまってた」。おなかの中に冷蔵庫w
その2か月後の5歳の誕生日(「かみさま」の話をする1か月前)に、たまは、「ママのおなかのなかにいたとき」の絵を描いている。
>>2011年08月24日(水) 【たま絵】書ける・描けるヨロコビ爆発!たま5歳
ママとたまは臍の緒でつながっていて、ママもたまも笑っている。たまの右にあるのが冷蔵庫らしい。
たまへ栄養を運び届ける役目を終えて、王様は去ったのか……。
そして、「おなかの中の神様=臍の緒!?」から一年あまりが経ち、冒頭の時制に話は戻る。
たまは、赤いペンを持って来て、おうさまの目を赤く塗った。
「うぃんなーのおうさまはね、もうすぐしぬから、めがあかくなってるの」と言う。
おなかの中で最後に見た、おうさまの姿なのかしら。
おうさまは「バイバイたまー」と呼びかけているのだけど、「た」と「ま」に濁点がついている。
「ないているから、たまーって言えなくて、だばーって、なったの」と言う。
目は充血しているけど、顔は笑っている、うぃんなーのおうさま。
愛らしくて、とぼけていて、王冠もとがってなくて、ぷにゅぷにゅしている。
「おなかのなかにいたとき、うぃんなーのおうさまがいっしょだったから、さびしくなかった」と、たまは言う。
どこまでが胎内記憶で、どこからが創作なのか、わからないけれど、「幸せな記憶」であることは間違いない。
生まれる前から守られていた。愛されていた。
そう思えるのは、とても幸せなこと。
わたしの手がまだ届かなかったときに、
たまを、いい子いい子してくれて。
たまに、食べさせてくれて。
たまと、遊んでくれて。
ありがとう、うぃんなーのおうさま。
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