7時前に起きて8時出発のロケバスにぎりぎり乗り込む。わたしが一番最後。時間厳守が現場のオキテ。早起きが苦手なわたし、これから一週間寝坊しないで過ごせるだろうか。はじめて会う人ばかりだけど、皆さんそれぞれの仕事に動き回っているので、隙を見てつかまえご挨拶。クランクインするまではモテモテの脚本家、クランクインしてしまえば本は手を離れ、お呼びではない。邪魔にならないようにわが子のたのもしい成長を見守るのみ。
動物がたくさんいるせいか、現場の雰囲気はとっても和やか。子役の深澤嵐君の和み効果もあるのかも。スタッフの名前と専門をすべて把握しているという嵐君、挨拶も元気よくて、いいムードメーカーになっている。撮影の内容はどこまで書いていいかわからないので、「ここまで書いていいよ」の許可が出たら書き足すとして、今日の撮影は予定よりずいぶん早く進み、お昼を食べてちょっと撮ったらもう終わり。予測不能の動物がOKテイクを出してくれると、長めに取っている「動物待ち」時間が浮くというわけ。ヘレン出演者の動物たちは演技派が多く、このところ連日、日が暮れる前に撮影が終わっているのだとか。
オフの時間は各自思い思いにマッサージに行ったりボウリングに行ったり買い物したり洗濯したり。着いたばかりのわたしは、今日知り合った宣伝担当の女の子とオホーツク流氷館へ。学生時代に行って流氷の部屋で凍えた記憶があるけれど、あらためて行ってみると、テーマパーク的な面白さがあった。案内嬢によるユーモアたっぷりの説明、流氷を空撮した迫力の映像、お土産売り場も充実。マイナス20度の流氷部屋には、キツネがお出迎え。『ヘレン』の成功をよろしくと手を合わせる。入口で手渡された濡れタオルをぐるぐる振り回すと、カチコチタオルの出来上がり。「網走で撮影された映画」という展示の中に『きつね』という作品を見つける。1983年の松竹映画。
2000年06月18日(日) 10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/26)