「にほんの さんたさんはね、あめりかの こどもに ぷれぜんとを とどけに いくの。あめりかの さんたさんはね、にほんの こどもに ぷれぜんとを とどけに くるの。いれちがいなの」
と、たまは小学校へ行く支度をしながら、季節外れなクリスマスの話題。
「さんたさんは、すきーに のってくるの」とも言う。
「そりじゃないの? じゃあ、トナカイはいらないね」とわたしが聞くと、
「となかいも すきーに のってくるんだよ」
「え? どういうこと?」
「すきーに のった となかいの うえに すきーに のった さんたさんが のってくるの」
それって、どういう図なんだろ。
「絵で描いてみて」と言うと、「いいよ」と机に向かい、ノートを広げた。
学校へ行く時間は迫っているのだけど、忙しい朝に何を先にやって何を後回しにするかの感覚は、親子共にズレている。
《「スキーに乗ったトナカイ」に乗った「スキーに乗ったサンタ」》の絵を描いているのかと思いきや、たまは「おじさんだれだ」で始まる物語のようなものをしたためていた。
10分だったか、15分だったか、貴重な朝の時間を費やし、書き上げたのは、こんなお話。
おじさん だれだ
あるひ、みっちゃんがかれんだあをみた。
12月が30日までしかないが、数字をびっしり書き込んだカレンダーの24日に丸がついている辺り、芸が細かい。
きょうは、くりすますいぶ みっちゃんたのしみでしょうがこうにいけません
布団をかぶった「みっちゃん」を矢印で示して「なか」と書いている。布団に入ったまま、ということらしい。
よるさんたくろすがくる
ここで、満を持して《「スキーに乗ったトナカイ」に乗った「スキーに乗ったサンタ」》が登場。トナカイは限りなくうさぎに近いが、耳が角張っているのは、角らしさなのだろう。
「すきーが じょうずなのに さきっぽを とめているの」と、たま。その言葉の通り、滑り慣れているはずのトナカイのスキー板には、重なり防止の金具が。今年の春,初めてのスキーで、板の先端を離して留める金具をつけてもらった経験が、作品に生かされている。
みっちゃんがめをさますと
「やったあ」↓
矢印の先には自転車。《「スキーに乗ったトナカイ」に乗った「スキーに乗ったサンタ」》さんは、みっちゃんが欲しがっていた自転車を届けてくれたらしい。
冒頭の「おじさん だれだ」は、このお話のタイトルだと思われるが、サンタさんが去ってからみっちゃんが目を覚ましたとすると、「だれだ」は誰の台詞だ?
《「スキーに乗ったトナカイ」に乗った「スキーに乗ったサンタ」》を目撃した人、なのか。
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