2013年05月14日(火)  安く見られちゃ困るけど、気前良くは見られたい。

脚本と音楽、業種は違うけれどフリーランス同士で話の合う作曲家のサクライエーコさんと久しぶりに会食。

自分に値段をつけること、自分の権利を守ることの難しさを語り合ったとき、彼女が放った金言。
「安く見られちゃ困るけど、気前良くは見られたいわね」

同じく彼女の言葉で3年前に聞いたのは、
「一杯目のビールみたいな仕事がしたい」

そのココロは、
「ビールってさ、一杯目がおいしいけど何杯も飲んでるうちに新鮮みがなくなるじゃない?でも、何度仕事をしても、ああ、サクライさんのビールはうまいって言われたいのよ。いつだって、うまい一杯目のビールを出したいのよね」
>>>2010年08月16日(月)  一杯目のビールみたいな仕事がしたい

会うたびに、思わず書き留めたくなる名言を、メロディに自然に乗る歌詞のように、さらりと口にするエーコさん。

お子さんが通う小学校で、お母さんたちの合唱のまとめ役(歌唱指導とは言いたくなかったのよねーとのこと)をやったところ、練習を重ねるごとにみるみる上達したエピソードを聞かせてくれた。

その最初の練習日、エーコさんが集まったお母さんたちに言ったのは、
「この歌は、わたしたちから子どもたちへのプレゼントです。徒競走で子どもたちを見てわたしたちが感動するのは、足が速いからではなく、一生懸命走っているからですよね? わたしたちも、上手である必要はありません。一生懸命歌う姿を子どもたちに見せましょう」

そして、恥ずかしくて声を出せない人も、せめて口パクしてください、と。

どんな気持ちで歌えばいいのかがわかっただけで、お母さんたちが同じ方向を向いて練習に取り組めた。
その結果、心をひとつに、歌を届けられた。
そして、最初は口パクだった人も、本番には大きな声で歌えたという。

音楽つながりとはいえ、普段やっている作曲の仕事とは勝手の違う役割。
でも、音楽という自分の得意な分野で役に立てたことがとてもうれしかった、と言うエーコさん。
働いているお母さんは、時間のやりくりが難しくてPTA活動も参加し辛かったりするけれど、できることを一生懸命やれれば、自分にとってもまわりにとっても幸せな結果がついてくるのよね、と話した。

そんなわけで、わたしは、PTA広報誌を書いているところ。
こういう仕事こそ,気前良く、でもプライドを持って、愛を込めて、やらなきゃね。

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