2013年03月03日(日)  「内」に「人」が入ると「肉」になる

たまの保育園のお祝い会を見るために大阪からやって来た両親に「今日はどこに行きたい?」。鎌倉がいいか、それとも、鴻巣のお雛様を見に行こうかと希望を聞いたら、「私ら、すでに旅してきてるから、これ以上旅せんでもええ」と母。「それより、あんたの家を片づけたい」と言うので、ぶらぶらと散歩がてらお昼を食べに行くことにした。

お気に入りのトラットリア・タンタローバが満席で、道路をはさんだ向かいへ移動。デリとレストランになっていたその店が、肉屋とレストランになっていた。田園調布にある熟成肉専門店「中勢以」の茗荷谷店だという。

昨日からランチを始めたというレストランの名前は「内」といい、「内に人が入ると肉になる」と言うので、驚いた。つい先週、たまが「内」という字を「肉」と読み、「それじゃあ内幸町は肉幸町だよ」と大笑いしつつも、「たしかに肉と内は似ている」と感心したばかりだった。



これもご縁、とお店の人に気持ちよく乗せられて、店内へ。

1200円のキーマカレーの次は、スープと前菜とメインとごはんと漬け物で2500円、その上は熟成肉の5000円のコースという強気な価格設定ながら、内装もお味も一見の価値あり。



最初に出される小さなカップのスープは、しっかりと手間ひまが感じられ、次の皿への期待が高まる。前菜のひとつひとつも丁寧に作られ、満を持してのメインは、どうだと言わんばかりの絶妙で上品な肉のうまみを引き出す味つけ。


両親をもてなすには打ってつけの店と思っていたら、「たまちゃんの入学祝いに」とご馳走になった。

秋頃に父から「たまちゃんに、デスクかランドセルか買うたる」と電話があり、「ランドセルはもう買ったし、デスクは買う予定がない」と答えると「ほな、ランドセルを大阪じいじばあばが買ったことにして」と言われ「今さらそれは……」となっていたのだが、肉食系のたまには肉で祝うのも良かろう。

帰りにお肉屋さんのショーケースをのぞいて、びっくり。ブティックの一点もの作品のように麗しく並べられたお肉たちの美しいこと。最高級のプライドを醸し出すたたずまい。冷蔵庫で何週間も寝かせて作るという「熟成肉」のお値段が、100gで数千円!となると、この熟成肉を5000円で味わえるランチはお値打ちということになる。次回、機会があれば、どんな味なのか食べてみたい。

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