2012年08月11日(土)  かぜになったおばあさん(思い込みってやつは)

たまの書いた小説らしきものが床に転がってた。



あるひ おじいさんは いもうとの いえに いきました
それで おばあさんは いえで せんたくおして 
さんじに こうえんに まちあはせすることに なりました
そして さんじに なりました
そして おじいさんは こうえんに いきました
でも おばあさんの すがたは みえませんでした
おじいさんは おばあさんの いえに いきました
そしたら おばあさんは かぜに なっていました

最後の一文「そしたら おばあさんは かぜに なっていました」を読んだとき、わたしは「ああ、おばあさんは、おじいさんの留守に死んじゃってたんだ」と思った。

詩的な表現だなあと感心してたら「おかぜだよ」とたまが言う。

え?ただの風邪引き?

「うちの子は詩人」という親バカ目線と、名曲『千の風になって』のすりこみの掛け合わせによる、思い込み。

人というのは、自分が期待する形に現実を曲げてしまうものらしい。

以前、警察関係の方だったかが、思い込みについて面白いエッセイを書かれていた。ある事件で「玄関に『とんかつ』が置いてありました」と記者に現場の報告をしたところ、メモを取っていた記者たちは皆「とんかち」と書いたという。何か事件にからんだものがあるに違いない、という先入観があるから「やっぱり」となった。

思い込みってやつは、答えを先に用意してしまう。気をつけないとね。

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