今日は保育園の年に一度の保育参加の日。「参観」ではなく「参加」なのは、実際に保育士さんたちに混じって保育に参加するから。去年は近所のお散歩につきあった(>>>日記)が、今年は曇り空のため、園で過ごすことに。
いつも通り登園し、いつもは別れを惜しむところを今日は留まるので、娘のたまは大喜び。週末をべったり一緒に過ごした後の月曜日はとくに甘えたがる。
まずは、物置を改造した秘密の遊び部屋へ。二畳ほどの小部屋に小さなすべり台とマットが置かれている。すべり台はジャンプ台と化し、子どもたちは登っては飛び降りる。すべり台の下の柵の中は格好のかくれんぼ場。
続いて、部屋の押し入れからロディちゃん(わたし好みのカラフルな動物の乗り物。耳につかまってまたがり、ジャンプする)やコンビカーを取り出し、廊下を滑走。「かして」「どうぞ」と譲りあったり、ときには取り合ったり。
たまが「だっこ」とせがむと、他の子たちも「だっこ」と集まってくる。かわるがわるだっこしたり、手をつないで「くるくるまわれ」ごっこをしたり。以前は他の子が寄ってくると「ママをとらないで!」オーラを発していたたまは、わたしが他の子をだっこしても待てるようになっていた。成長、成長。
たまと一緒にエビカニクス(父がピースボートに乗ったときに毎朝踊っているグループがあり、CDを買ってきていたエビとカニをテーマにした体遊びダンス)を踊っていると、担任の保育士さんが「みんなでダンスしよっか」とCDコンポを持って来た。「だんだんだんごむし、だんだんだんごむし」の歌がかかると、子どもたちがハーメルンの笛吹き状態で催眠術にかかったようにくねくねと踊り出す。
ダンスの後は、一人一人名前を呼ばれて、廊下をギャロップ。
わたしが寝転がったたまの足首をつかんで廊下を引っ張ると、他の子たちも集まって来て、かわるがわる背中で廊下を拭き掃除。
教室の中に入ると、こちらはおままごと大会。男の子もエプロンをつけてお母さんになりきっている。
「じゃあお外で遊びましょう」と保育士さんの呼びかけで、子どもたちは帽子をかぶり、ベランダで靴を履いて、すべり台で庭へ下りる。ずいぶん遊んだなあと時計を見たら、まだ一時間しか経っていない。年に一度、半日限りのわたしはイベント気分だけど、保育士さんは、これを一日中、しかも一年中やるんだなあと恐れ入った。
庭では三輪車で走り回ったり、落ち葉の焼き芋屋さんごっこをしたり。たまは得意の缶ぽっくりを黙々と。飽きると砂場遊びを始めるが、これも一人の世界に入り込むスタイル。昨日根津で食べたたいやきが気に入ったと見えて、たいやき型でせっせと砂たいやきを作る。お友だちが「たいやきくださいな」と買いに来ると、渋々売ってあげていた。
庭での濃密なひとときは、時間にすれば30分。ようやくお昼ごはんとなる。
子どもたちは3つのテーブルに分かれ、テーブルに各自のマークのシールが貼られているところを見ると、決まった席で毎日食べている様子。食事前に「たべられないもの ×(バツ) × たべるもの ○(マル) ○ ピコピコピコピコテレパシー」という歌を歌いながら保育士さんがクイズを出す。指輪は「×」。ピーマンは「○」。おばけは「×」……。一問ごとに「あたった、はずれた」と一喜一憂する子どもたち。「おれ、○っていったよ」と正解を自慢する男の子、「こたえ いうの わすれちゃったー」と残念がる女の子。ちょっとした食育ゲーム。
食事は大人の介助なしに子どもたちで。3歳児同士、食事の会話というものが成り立っているのが面白い。わかめを鼻の下に貼り付けて「ひげ」をやる子を真似して、次々と「ひげ〜」。それを見て、「なにやってるのー」とまわりのテーブルの子たちが笑う。
たまは食事が終わるとわたしが帰ってしまうのを察して、「ねえ ママ おしごといっちゃうの?」と心配そう。それを聞きつけた同じテーブルの男の子が、「ねえねえ たまちゃんママ〜。ないしょのはなし」と言うので耳を近づけると、「おひるごはんおわったら、おしごといっちゃうの?」と聞いてきた。「うん、そうだよ。たまちゃんにはナイショね」と言ったのに、「たまちゃんママ、おしごといっちゃうってさ」と言って、たまの反応を試す。3歳児といえども油断ならない。
食べるペースが落ちてきたので、たまのスプーンを手に取り、「だ〜れのおくちにいこうかな?」と食べさせると、「わたしも」「ぼくも」とうれしそうに大きな口を開ける。みんなかわいい、面白い。いつもは送り迎えのときに顔を見るだけのクラスメートの子どもたちに、いっそう親しみを感じる。
わたしが去るとき、たまは大声でわんわん泣いた。
いったん帰って、午後は担任の保育士さんと面談。「言葉で気持ちを表現できるようになり母子ともにストレスが減った」こと、お弁当を喜んでくれたこと、執念深さゆえに記憶力が良いこと、食べることと読むことが好きなら人生楽しく生きていけると考えていることなどを話す。園での様子をうかがおうと思っていたのに、気づいたらわたしばかりしゃべってしまった。普段子どものことを話す相手がダンナぐらいなので、聞いてもらえて調子に乗ってしまった。
「たまちゃんは、遊びが独創的。だから、まわりの子たちが放っとかないのよ」と保育士さん。わが道を行くユニークな子であるらしい。
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