6月27日[土]公開の『ディア・ドクター』をついに観る。有楽町イトシアにあるシネカノン有楽町二丁目にて、朝10時からの一回上映。公開3か月で、ロングランを続けている。
画面に映るもの、聞こえてくる言葉や音、すべてに細やかな気配りが行き届き、役者さんの呼吸やディテールの積み重ねがひとつの世界を完成させているのに立ち会えて、見応えがあった。原作・・脚本・監督を西川美和さん一人が手がけていることも世界観の揺るぎなさの理由かもしれない。
『ゆれる』と同じく、企画はエンジンフィルムの安田匡裕会長。『ゆれる』のマスコミ試写をやっていた頃、一緒にお仕事をしかけていて、試写状をいただき、「あ、西川美和監督の」と反応すると、「これ、俺なんだよ」と言われ、「え! 西川美和監督って、安田さんだったんですか!」と早合点してしまったことを思い出す。自分の関わった作品を「これ、俺なんだよ」とか「これ、わたしなんですよ」と言うのはよくあることだし、西川美和監督の美しい顔写真も見ていたはずなのに。わたしのおなかがずいぶん大きくなった頃だったから、あれから3年。一作ごとにじっくりと時間と手間をかけ、鮮やかな存在感と印象を残す。充実した仕事ぶりだなあと惚れ惚れした。
同じ劇場では『子猫の涙』の脚本をお手伝いし、個人的にも親しくさせていただいている森岡利行さん脚本、監督の『女の子ものがたり』を上映中。こちらも評判がいいので、ロングランになりそうだけど、近いうちに観ようと思う。
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