娘のたまがワーンと泣いたので、よしよしとだっこして慰めたら、「なみだ ふいてよ」と言う。赤ちゃんみたいな力まかせな泣き方と大人っぽい言い方のギャップに面食らった。
数日前の朝、たまは突然「おねえさん宣言」をした。
「たまちゃん あかちゃんじゃないよ。おねえさん。ぜーんぶ おねえさん」。
ぜーんぶと強調するところが、何ともおかしい。そのくせおっぱいを欲しがり、指をしゃぶり、トイレは事後報告。でも、言葉の使いこなし術は、ずいぶんお姉さんになった。ボケと突っ込みらしいやりとりもできるようになりつつある。
た ま「どうぶつ かう」
わたし「どんな動物飼うの?」
た ま「キリン」
わたし「キリンは大きいから、うちに入らないかなあ」
た ま「ちいさいキリン かう」
わたし「小さいキリンってどれぐらい?」
た ま「これぐらい(と親指と人差し指で切手ぐらいの大きさを作る)」
わたし「そんなに小さいの? なんて名前?」
た ま「キリンです」
わたし「キリンですって名前?」
た ま「うん。『キリンです』って かいてるの」
わたし「どこに書いてるの?」
た ま「かべ」
保育園の帰り、手をつないでこんな話をしていると、仕事のことはいったん忘れて、たま流に言えば、「ぜーんぶおかあさん」に切り替わる。「あ、におい」と、たまが言い、「なんのにおい?」と聞くと、「くものにおい」と答えた。それから、「あかの におい。みどりの におい。ママの におい」と続けた。つなげると、詩みたいだ。
あ、におい。
くもの におい。
あかの におい。
みどりの におい。
ママの におい。
いきなりアスファルトに大の字に寝っ転がったりもする。「何やってんの?」と聞くと、「くも みてるの」なんて言う。空はすっかり暮れているけれど、黒に近い群青色に目を凝らすと、確かに雲はゆっくり動いている。
ショップ99で買い物しようねと手を引いて歩いて行くと、「キュッキュ おそら おんでるね」と言い出す。えっと思って見上げると、2階の高さに看板が掲げてある。寒さに縮こまっている大人に見えないものが、身長80センチの子どもには見える。
お世話ごっこ人形のポポちゃんと遊びながら、たまは「ポポちゃんすごいね。どこでおぼえたの?」とおねえさんぶってほめている。「すごいね。どこでおぼえたの?」は最近のわたしの口癖。
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