2008年07月25日(金)  SKIPシティ国際Dシネマ映画祭7日目 審査員ディナー

埼玉県川口市のSKIPシティにて長編作品2本を鑑賞し、国際コンペティション部門審査対象の全12作品の鑑賞を終える。いよいよ明日は審査会議。その会場でもある浦和ロイヤルパインズホテルへ移動し、審査員ディナー。映画祭ディレクターの瀧沢さんより審査方針の説明があり、「大賞(賞金1000万円!)は必ず一本選出してください」と言われる。意見が分かれて該当作なし、あるいは2本で分かち合うという形はナシ。そのためにも昨年4名だった審査員は、今年5名になっている。多数決を取れば偶数で引き分けることにはならないが、審査委員長のダニー・クラウツさんは「アナニモス」で決めることにこだわる。聞き慣れない言葉だけど、unanimousは「満場一致の」という意味らしい。議論を尽くし、互いの意見を聞いた上で投票し、この賞にはこの作品、と全員が納得する形で決めて行きたい、とダニー氏。明日は熱い議論が交わされることになりそう。

中華をコースで楽しみながら、話題は映画から経済へ。20年前にダニーさんが来日したときは円高だったけれど、今回はユーロが強いので、買い物天国なのだとか。電車に乗って国境を超えられ、今やパスポートの検閲もないEUヨーロッパの国際感覚は、島国ニッポンとはまるで違う。国によって線路の幅が違ったり、車両の大きさが違ってトンネルを抜けられなかったり、という問題が発生することも。規格統一するときには大国が幅を利かせ、小国は従わされる。「ドイツでバターが余ったときにロシアに送ってあげようという話になったが、根回しするうちに時間がかかり、ロシアにバターが届いたときには賞味期限切れになっていて、喜ばれるどころか怒らせてしまった」という小咄も面白かった。

今日はホテルに宿泊。一人でホテルに泊まるのは、2005年の冬に『天使の卵』の撮影で大阪に宿泊したとき以来。足の踏み場もない家で生活しているわたしにとって、すっきりしたホテルの部屋は非日常。体を伸ばせる大きなバスタブに自分一人のためだけにお湯をたっぷり張る贅沢。湯上がりにお茶を飲んで、ソファにふんぞり返ってテレビを観て、こういうのひさしぶりだなあとしみじみする。CNNのニュースを副音声で聞いて、英語に浸った。

2007年07月25日(水)  父と娘から生まれた二つの『算法少女』
2005年07月25日(月)  転校青春映画『青空のゆくえ』
2003年07月25日(金)  日本雑誌広告賞
2000年07月25日(火)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/29)

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